COVID-19の影響で1開催3レース・・・トリプルヘッダー方式で行われることになった今シーズンのBSBですが、ついに先週末のブランズハッチ戦でフィナーレとなりました。ドゥカティ、ヤマハ、そしてホンダの3メーカーのマシンに乗るライダーたちが、BSBチャンピオンの座をかけて熱戦を繰り広げましたが、最後に笑ったのはどのメーカーの、どのライダーだったのでしょうか?

名門ドゥカティ系チームの間に、ヤマハのJ.オハローランが割り込みました!

今シーズンのBSBは、ホンダ・レーシングがブランニューのCBR1000RR-R Fireblade SP(SC82)を投入し、昨年度ランキング1-2位を独占したドゥカティのワークスサポートを受ける名門、ポール・バード・モータースポーツ(チーム名:ヴィジョントラック・ドゥカティ)に挑戦する・・・という構図でスタートしました。

最終戦直前の5ラウンド・15レース消化時点での年間ランキングは、J.ブルックスが3勝・225ポイント獲得で首位。ブルックスのチームメイトのC.イドンが1勝・209ポイントで2位と、ビジョントラック・ドゥカティが1-2体制を築いていました。

3位はホンダ・レーシングのグレン・アーウィン(1勝・207ポイント)。残るブランズハッチの3レースでドゥカティ勢を逆転し、CBR1000RR-R Fireblade SPにデビュー年のBSBタイトルウィニングマシンの称号を与えることができるのか・・・? に注目が集まっていました。

今年のホンダ・レーシングは、CBR1000RR-R Fireblade SPをグレン(写真)とアンドリューのアーウィン兄弟に託し英国でのレースキャンペーンを展開しました。ランキング首位のJ.ブルックス(ドゥカティ)と18点差で、グレンは最終ラウンドのブランズハッチに挑みましたが・・・。

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ラスト3レースの最初の第16戦・・・ホンダ・レーシングの希望が託されたG.アーウィンは6位に終わりました・・・。そしてこのレースに勝利したのは、鈴鹿8耐参戦経験もあるジェイソン・オハローラン(ヤマハ)で、この1勝によりJ.ブルックスとC.イドンのドゥカティ勢の間に割り込み、ランキング3位にポジションアップしました。

McAMSヤマハのライダーのJ.オハローラン(右)は、ブランズハッチ最初の第16戦に勝利! この時点でJ.ブルックス(ドゥカティ)とA.アーウィン(ホンダ)に並び、シーズン最多勝の3勝を記録。毎戦完走して1戦も欠かすことなくポイントを獲得してきた安定感で、ランキング2位に浮上しました! 余談ですが後ろを走る第16戦2位のクリスチャン・イドン(ドゥカティ)と3位のタラン・マッケンジー(ヤマハ)は、それぞれが父にポール・イドンとニール・マッケンジーを持つ、いわゆるサラブレッドライダーです。

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最後はBSB王者経験者が、意地の2連勝で締めました!

第16戦終了時点で、ランキングはJ.ブルックス238点、J.オハローラン231点、C.イドン229点、G.アーウィン217点、そしてT.マッケンジー195点がトップ5・・・。残り2レースで獲得できる最大得点は2勝50点ですので、タイトルの決着は最終レースが終わるまでわからない展開です。

そして迎えた第17、18戦・・・ヤマハ時代の2015年にBSB王者を経験したJ.ブルックスが意地を見せました! 第17戦は序盤からレースを引っ張り、同郷のJ.オハローランを退け今シーズン4勝目をマーク。なおC.イドンは3位表彰台を獲得しましたが、G.アーウィンは11位と低調な結果に終わり、T.マッケンジーは8周目に転倒リタイア・・・。残り1レースを残し、タイトル獲得の可能性はブルックス、オハローラン、イドンの3名に絞られました。

BSB第17戦の表彰台。中央の勝者J.ブルックス(ドゥカティ)はこの時点で獲得ポイント263点、左の2位J.オハローラン(ヤマハ)は251点、そして3位C.イドン(ドゥカティ)は245点でした・・・。

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そして最終第18戦、J.ブルックスは追いすがるヤマハ勢・・・T.マッケンジーとJ.オハローランのアタックから先頭の座を守り抜き、見事シーズン5勝目を連勝で記録! 同時に自身2度目となるBSB王者に輝くことになりました。

ドゥカティ パニガーレ V4 Rを駆り、BSBタイトル獲得へ激走するオーストラリアンライダーのJ.ブルックス。

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BSBタイトル獲得の記念撮影。J.ブルックスにとっては自身2度目の、そしてポール・バード・モータースポーツにとっては8度目となる、BSBタイトル獲得になりました。なおブランズハッチの3戦でJ.オハローラン(ヤマハ)にランキング争いで逆転されましたが、C.イドンも年間3位の好成績をおさめています。

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J.ブルックスに続き、ランキング2位にはJ.オハローラン 、3位にC.イドン、4位にG.アーウィン、5位にT.マッケンジー、6位にA.アーウィン・・・となりました。前年以前から十分な実戦経験や開発期間があったドゥカティ勢とヤマハ勢に対し、CBR1000RR-R Fireblade SPを今年から投入したホンダ・レーシングはCOVID-19の感染拡大によるテスト不足やサプライチェーンの混乱などもあり、苦しい戦いを強いられることになりました。

今シーズンのBSBの18戦中、デビュー年のCBR1000RR-R Fireblade SPは合計4勝(A.アーウィン3勝、G.アーウィン1勝)を記録しました。来シーズンはドゥカティ パニガーレ V4 RやヤマハYZF-R1などのライバル相手に、どのような戦いをするのか・・・注目したいです。

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なお、CBR1000RR-R Fireblade SPが参戦するもうひとつのカテゴリー、ナショナルSTK1000はホンダ・レーシングのトム・ニーブがタイトルの可能性を残して最後のブルックランズ第10戦に挑みましたが、なんとオープニングラップで転倒を喫して万事休す・・・。最多勝の4勝を記録しながらも、クリッシー・ラウズ(BMW)に次ぐランキング2位にとどまりました。