先日、BMWからスーパースポーツのフラッグシップモデルとなる「M1000RR」が発表されました!! BMWの"M"といえば、同社のモータースポーツ活動を語る上で欠かせない記号ですが、一連のMモデルやレーシングモデルに使われることの多い、青/紫/赤の3色が何を意味するのか皆さんは知っていますか?

"M"を使った初のBMW2輪、M1000RRの登場!!

近年、BMW2輪のスーパースポーツのフラッグシップは、SBK(世界スーパーバイク選手権)をはじめとする世界各国のスーパーバイクカテゴリーや、マン島TTなどの公道を使ったロードレース=リアル・ロードレーシングで活躍するS1000RRがその役を担っていました。

先日、そのデビューが公表された「M1000RR」は、S1000RRをベースに最高出力を212ps/14,500rpmまで引き上げ(許容最高回転数は15,100rpm!!)、0-100km/h加速3.1秒!!、最高速306km/h!!、そしてサーキット用ギアレシオでは最高速315km/h!!! を可能とした、驚異のパフォーマンスアップを成し遂げています!

BMW M1000RRの並列4気筒エンジンは、チタン合金製コンロッド、専用2本リング型ピストン、1.5mm幅を狭めたロッカーアームなどを採用する改良型シリンダーヘッドを採用。16.3kgものダウンフォースを発生させるカーボン製Mウィングレッドの採用と、お馴染みの「Mカラー」のペイントが、外観上の大きな特徴です。なお価格、国内販売時期はともに未定ですが、早く日本の公道を走る姿を見たいです!

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BMW Motorrad Australia | The new M 1000 RR

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えっ!! 「赤」はあの石油会社が由来なんですか!?

M1、M3、M5 ・・・など、BMW4輪ファンの間では「Mシリーズ」はなじみ深いでしょうが、2輪の分野で「M」が車名の頭に使われるのは、このM1000RRが初となります! そして「Mカラー」としてお馴染みの青/紫/赤がM1000RRには使われますが、この3色は過去にもBMW2輪のパリ-ダカマシンや一部のスポーツモデルにも採用例がありますね・・・。

そもそも「M」が何を意味するのか? BMWファンやモータースポーツファンには"常識"かもしれませんが、M=モータースポーツを表しています。

1972年、BMWのスポーティな製品のビジネスを担当する会社としてBMWモータースポーツ社が誕生しましたが、その際にモータースポーツ部門のロゴとシンボルカラーを決める作業が行われました(なお、1993年にBMWモータースポーツ社は、BMW M社に社名変更しています)。

"M"のロゴと色を選定したのは、当時のレースディレクターでBMWモータースポーツ社の共同責任者であるヨッヘン・ニーアバッシュ、BMWのインテリアデザイナーのウォルフガング・シーハウス、そしてBMWのエクステリアデザイナーのマンフレッド・レンネンの3人でした。

1973年当時の「M」ロゴ。

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ズバリ!! Mカラーの考案者は、W.シーハウスでした。選定の決め手は鮮明な配色であること・・・。「青」・・・は言うまでもなく円形のBMWエンブレムでもお馴染みの・・・BMWを象徴する色である"ババリアン・ブルー"です。

そして「赤」はモータースポーツを表現しています。そして「紫」は青/赤を混ぜたときに生まれる色です。第一次世界大戦後の2輪メーカーとしてのBMWのスタートから間もない時期より、長年モータースポーツ活動を熱心に行ってきたBMWという会社のユニークさを表しているのです。

・・・え? なんでモータースポーツが「赤」なの? という声が聞こえてきそうですけど、これは情熱の「赤」というより、あるコマーシャル的な事情が背景にあったようです。

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Mのロゴとカラーを選定していた時期・・・1972年の暮れにBMWモータースポーツ社は、アメリカの石油ブランドであるテキサコとスポンサー交渉をしていました。結論から言えば、両者の契約は成立することはなかったのですが、選定チームはテキサコとの契約を意識してモータースポーツを象徴する色を、同ブランドのシンボルカラーである「赤」にしたのだろう・・・という説が有力です。

事実、1972年に設計されたレーシングカーの意匠には、テキサコのロゴが組み込まれていたとか。なおJ.ニーアバッシュによると、青/紫/赤の「Mカラー」をW.シーハウスが選んだ理由のひとつは、高価なカラー写真よりも当時印刷物に使われることが多かった白黒写真で印刷されたときに、引き立つ配色であること・・・だったそうです。

ちなみにMカラーの紫・・・は時代や車両によって、パープルというよりバイオレット(すみれ色)っぽかったり、ババリアン・ブルーより濃い青だったりもします。これはデザイン調整による色調の変更であり、意味としては青と赤を混ぜた・・・には変わりないです。

1973年にレースデビューした、BMW 3.0 CSLは、Mカラーを身に纏っていました。外部グラフィックデザイナーのピエール・メンデルと、M.レンネンがまとめ上げたこの印象的なグラフィックは、すぐにBMWモータースポーツ活動の"シンボルカラー"となり多くの人の間に浸透することになったのです。

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ところで気が早いですが、来シーズン・・・2021年度のSBKではM1000RRがワークスチームの主戦マシンとして活躍することが期待されますね! 残留を発表しているトム・サイクスと、ヤマハから移籍するマイケル・ファン・デル・マークが、M1000RRでどのような走りを見せてくれるのか・・・鬼が笑いますが今から楽しみです!