ロケ地はディアトロフ峠往復の雄大な大自然!
2&4問わず、自動車メーカーがニューモデルをデビューさせる前には、様々な走行テストを行うのが常です。もちろん、ロシアのサイドカーメーカーであるウラルもその例外ではありません。
今回のテスト走行の舞台は、ウラルの故郷イルビット工場からディアトロフ峠を往復するというもの。なおディアトロフ峠は、「世界で一番謎の多い遭難事故」として知られる「ディアトロフ峠事件」の舞台となった、ウラル山脈の峠です・・・(最近ようやく謎が解明しましたね)。
動画の中のウラルテスト走行は今年の6〜7月に収録されており、真冬のディアドロフ峠事件ほど悲惨な状況ではありません。ただ結構な深さの川を渡ったり、入るのを躊躇するような沼レベルの水たまりを通過したりとなかなかなハードぶりには違いありません!
軍用車としてのDNAを継承する、ヘビーデューティぶりが魅力!
どうしてエンジンが冠水するレベルの水深でも、ウラルサイドカーはエンストすることなく走り続けることができるのでしょうか?
その秘密はウラルの構造にあります。OHVフラットツインを搭載するウラルは、そのエンジンの上側にエアクリーナーを配置し、さらに高い位置から空気を取り入れるシュノーケルを採用しています。そのため機関部が水に浸かっても、絶えることなく空気を取り込めるのでエンストしないのです。
元々、第二次大戦期のドイツの軍用車、BMW R71を範として生まれたヒストリーを持つウラルサイドカーですが、年々メカニズムはモダンアップデートされつつも、軍用車に求められるヘビーデューティーさは失われることなく受け継がれているわけですね。
日本では2輪ユーザーの高齢化が深刻な話題としてよく語られていますが、近年日本市場でも売り上げを伸ばしているウラルサイドカーは20〜30代の、ツーリングユーズメインのユーザーが結構多いそうです。アドベンチャー心をくすぐるヘビーデューティーさが、旅のツールととしてのウラルの魅力なのでしょうね。
そんなウラルの魅力の一端である、究極の走破性を見ることができる動画を、ぜひご覧ください。