去る3月、公道を使った伝統のマン島TTがCOVID-19感染拡大の影響で、今年度大会を中止することをお伝えしました。そしてクラシックバイクを対象とした「クラシックTT」も、同様に中止となったことが現地時間5月4日にアナウンスされました・・・。

最優先されるべきはマン島の人々の健康と幸福

上のリンクにある過去記事のとおり、マン島TTは3月半ばには早くも今年度大会の中止が決定されました。この決断は早めの判断こそ、関係者たちが被る損害を最も小さくする最良の手段という考えによるものです。

そして8月22日〜9月4日に開催予定だったクラシックTT中止の判断も、マン島TT中止判断同様に早めの決断こそ大事・・・という考え方に基づいています。8月のころに、世界やマン島を取り巻く環境がどうなっているかは、誰も正確に予測することはできません

不確実性がある以上、早期の決定こそが責任を負う主催者たちが選べる唯一の行動であることに、異論を挟む者はいないでしょう・・・。マン島政府・企業大臣のローレンス・スケリーは中止の決断の理由に、マン島TTキャンセル発表時と同じく「島民の健康第一」をあげています。

「島民の健康と幸福が、私たちの最優先事項であり、この進行中の状況に焦点を当てていること明らかにすることで、皆を安心させたいと思っています。クラシックTTを実行することによって、マン島の勤勉な病院と医療スタッフに、追加の要求を行うことは適切ではありません」

2021年のマン島TT、クラシックTTに期待しましょう!

2019年クラシックTTライトウェイトクラスで、ホンダRS250を駆り優勝したブルース・アンスティ。マン島TTで過去幾度も勝利したニュージーランドの英雄は、彼を襲った癌との戦いで来島を果たせずにいましたが、2019年のクラシックTTでは見事復帰! そしてドラマティックな復活勝利を記録し、多くのロードレースファンを感動させたのは記憶に新しいです。

www.iomtt.com

マンクス・モーターサイクルクラブ会長のピーター・マドックスのコメントによると、クラシックTTを開催するにあたって、ロジスティックスと運営については問題はないものの、やはりマーシャルや医療関係者など、レースを行う上で必要不可欠な体制つくりができるかどうかは不確実・・・として、中止の判断に理解を示しています。

英国のボリス・ジョンソン首相は4月30日に、英国におけるCOVID-19感染拡大はピークを過ぎたとコメントしていますが、まだこの先・・・2021年に世の中がどうなっているのかは不確実でしょう。しかし、マン島TT関係者の願いのとおり、2021年度にはマン島TTおよびクラシックTTが無事開催されることを祈りたいです。