"スロットルを閉じ、マシンを降りることで救える命がある" ・・・去る3月31日にFIM: 国際モーターサイクリズム連盟が掲げた、世界的流行を見せるCOVID-19の病渦に対抗する #RidersAtHome という動きをご存知ですか?不謹慎とか自粛とか、そういった観念的な意味合いを超え、プロ・アマを問わず全てのライダーが冷静に受け入れるべき、"今そこにある課題" について思いを巡らせます。

個人的なお楽しみは、感染症と戦う最前線への負荷となる可能性があります

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。まるで出来の悪い悪夢か古典的なパニック映画かのように世界中を掻き乱す新型肺炎。日頃から本コラムをご覧いただいている読者の皆さんも、落ち着かない日々を過ごしておられることでしょう。

世界規模の様々なレースをはじめ、モーターサイクルにまつわる数々の事柄に関わる国際組織・FIMは、統括する各カテゴリーのイベント開催を早い段階から軒並み見合わせ・今後の事態の推移によっては翌シーズンまでペンディングする明確な方針を示すとともに、プロ・アマ、競技と日常使用を問わず、世界中のすべてのライダーに向け、#RidersAtHome ・・・今は楽しみや競うためにこれまでの日常通りバイクに乗る時ではなく、ライダーは家にいるべきだ、という強い声明を発しました。

このムーブメント、非常時にありがちな "不謹慎狩り" や同調圧力を察しての?"自粛ムード" とは一線を画すものと筆者は捉えています。重要な本質は、ライダーがマシンを駆り今この瞬間を個人的に楽しむことで、万が一転倒・受傷などで医療行為が必要となった場合、現在進行形でウィルスと戦う最前線である地域社会の医療リソースに、無用の負荷をかける可能性を断固排除するものです。

マグロが泳ぎ続けるのは "種を保存するための生存本能" ですが・・・?

"泳ぎ続けるマグロと同じでいつもバイク乗ってないとダメんなっちゃうからさぁ (笑) "

平常時にしばしば耳にする (ちょっと気持ち悪い) フレーズですが、我々は回遊魚ではありません。種の保存のための生存本能として泳ぎ続けなければならない魚類と、乗りたくて乗りたくて我慢ができないピュアーな?欲求は、全くの別物です。ここで書くまでもなく当たり前なんですけど・・・。

いっときの "きっと自分くらいだいじょぶだぁ" が後の "だめだこりゃ・・・" へと連鎖することのないよう、これからも生きて再びモーターサイクルで競い合い楽しむために、勇気をもってここで一度 "泳ぐことを中断" しましょう。大丈夫、この雨が止めば、きっとまた走れます。

自分が実際に足を運ばないことで、サーキットその他の遊び場の存続が気がかりならば、現場へ行ったつもりで、走行料金と交通費相当分を運営者へ寄付されるのも一興ではないでしょうか。移動を伴わない分低いリスクで、クリーンで新しい関係を紡ぎ出すこともできるかもしれません。とにかく今は、ウィルスとの戦いを後方から最大限に支援するため、フツーのヒトは "家にいてください" 。

今こそ家でできることも、冷静でさえあればきっと見つけられるはずです。この暗く長いトンネルを抜けたあと、再び仲間たちが集うその日には、乗り続けてゴミみたいだったマシンがまるで新車のようにパリッとしてたり・・・ネットの世界に遊んで歴史的な事柄を掘り下げたり・・・至らぬ拙筆コラム (今日で110本目です) まとめ読みなどもあるいはいくらか時間つぶしになるかも?しれません。

筆者主宰シリーズFEVHOTSは当面7月まで "開幕せず・家にいろ" を続行

4月に新シーズン開幕を迎えるはずだった筆者主宰のダートトラックレースシリーズ・FEVHOTSは、このような社会情勢を鑑み 5月末まで活動休止期間を延長。どんなに早くても開幕は 7月初旬ごろへ先延ばしとする計画です。震災もビッグシリーズ消滅も会場閉鎖も天災も、幾多の困難をも乗り越えてきた我々ニッポンのダートトラッカーだもの、ここからしばらくじっと我慢のしどころです。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう。
次週からは突然訪れた自習期間にぴったりな?重厚長大な?読み物にも挑戦・・・するかもです?