「念願の」と言っていいだろう。グローバル市場の拡大に対応して生産能力の増強を図るための新しい生産設備と塗装工場が、いよいよ本格的に稼働し始めた。BBS のこれから、がそこに見える。写真:永元秀和

BBSジャパンの新しいステップに刮目せよ。

世界から高い評価を受けているホイールメーカー、BBSジャパンの生産現場を初めて訪れた時のインパクトは、強烈だった。

巨大なプレス機で、素材となる円筒形のビレットを押しつぶしながら文字どおり鍛えていく「鍛造」 作業に目を見はり、一本一本、機械と人がていねいに磨き整えていく緻密なプロセスに感心し、塗装などのわずかな瑕疵も許容しない品質管理の徹底ぶりに舌を巻いた。 

以来、何度か高岡工場を訪れている。その都度、新鮮な驚きがあるのだけれど......今度ばかりは、「初めて」の時に匹敵するインパクトを、再び味わうことになった。 強烈なインパクトの源は、ふたつある。ひとつは、国内最大級の高圧プレスマシン。そしてもうひとつは、世界最先端の塗装工場。BBSジャパンの新たなステップは、規模も志も、桁外れに大きいものだったのだ。

1万2000トンプレスを中心に広がる最先端の生産設備

新しく導入された1万2000トン プレスのある建屋は、全体的にゆったりとしていて天井が高く、開放的な印象だった。

まずは1万2000トンプレスと、初めて対面。大きいだろうとは思っていたけれど、その威容は想像以上だ。サイズ感が、圧倒的に違う。これまで最大だった9000トンプレスが、小ぢんまりとして見えるほどだ。インパクトの差は、そのカラーリングにもあるかもしれない。

これまでのプレス機はいかにも働く機械的な地味な色合いで統一されていたけれど、1万2000トンプレスはとてもクリーンなホワイトでペイント。それだけで、先進的なイメージが引き立つ。

奥にあるのが、最新式と思しきスピニングマシン。素材の出し入れを行うロボットの動きは見るからに軽快で、頼もしい。

プレス機の周辺には、その作業をフォローする、新しい作業ラインが作られていた。ホイールのリム部分を加工するスピニングマシンは、従来のタイプとはずいぶん 印象が違う最新式。プレス時に噴霧する離型剤を除去するための脱脂プロセスも、自動化されている。

1万2000トンプレスだけでなく最先端の生産エリアでは、働くロボットたちの動きまでキビキビと洗練されているように思えた。

新設された塗装工場は、作業関係が明るく広々

正門から見上げる四日市工場。幅はもちろんだが奥行が凄い。雨の日でも積み降ろしのできるトラックブースも備える。

そうした最先端感は、建屋からすべてを新しく建設した四日市塗装工場で、さらに強く実感される。

新しい工場は、本社工場からクルマで5分ほど離れた、小矢部川沿いにある。敷地は広く建屋は巨大、外から見ているだけでも非常に生産性が高そうだ。

細かいミーリング工程もすでに、四日市で作業できる環境が整備されていた。こちらのエリアも広々している。

屋内はいくつかのブロックに仕切られているが、どこに行っても天井が非常に高い。開放的な雰囲気の中で作業が進められていた。従来の小矢部塗装工場も同時に 稼働しているが、順次、多くのロット生産がこの新工場に移管される。ポリッシュ加工を施すバレルマシンは、すでに十数台が稼働中。人の手による中間仕上げの工程では、作業台そのものが非常に使いやすそうな構造をしている。

こちらは塗装ラインの一部。潜在的な危険度によって、注意すべき赤や黄、通路などの枠組部分に塗り分け。

圧巻はやはり塗装ラインだろう。見学を許されたのはごく一部だったが、赤、黄、青の3色で塗り分けられたライン設備はピカピカで、スペース的にもとてもゆっ たりしている。かなり広い空間には、作業スタッフがひとりしかいないことにも驚かされた。もちろん要所要所では人が配置されているのだけれど、機械によるオートメーション作業との棲み分けがより明確になっていたように思う。

中間仕上げを行う作業台。ローラー部分は水平方向にも360度回転するので、磨き作業もやりやすそうだ。

そうした新しさとともに印象に残ったのは、生産現場全体に、これまで以上に活気が満ち溢れていたことだった。 まだ一部で試験的に稼働させている段階だったが、これが本格的にフル稼働したならどんな凄いことになるんだろう......そんなワクワクが、止まらない新拠点だ