1970年にドイツでBBSブランドが生まれて、ついに50周年を迎える。その記念すべき年の幕開けにBBSジャパンは、ブランドのアイコンとも言えるLMに新たな「カラー」を加えた。文:神原 久(モーターマガジン誌/写真:永元秀和)

「定番」シルバーダイヤカットリム×「新色」ブラックブライトダイヤカットリム

 2020年、自動車関連イベントの幕開けを飾った東京オートサロン。賑わいを見せる会場の一角、BBSジャパンのブースでひときわ目を惹いていたのが、2台のBMW M5だった。

 向かって右側は、最新のM5コンペティション(F90)だ。履いているのは、定番中の定番、LM。抜群に似合っている。対するブース左側には、BBSのアイコンとも言えるメッシュタイプのホイールを履いた、初代M5(E28)を展示していた。80年代半ばのデビュー当時、BBSジャーマニーが供給していた純正の鋳造ホイール(16インチ)だが、こちらの存在感も圧倒的だ。

 この2台を目玉に今回のBBSブースは、「新旧の対比」をメインテーマとした演出が採り入れられているという。ブランド創立50周年を迎え、その歴史をアピールする狙いがあった。

 実は、ブースのほぼ中央に並べられた2本のLMもまた「新旧対比」をテーマとする展示の一環だ。向かって右側、「ブラックブライトダイヤカット(BKBD)」と呼ばれる新色を採用しているのが、今回紹介したい「最新の」BBSスタイルとなる。

新しい「BKBD」はよりスッキリした上質感の表現を狙っている。価格はプラス5000円だ。

ダイヤカットはあえて切削ラインを残すことで虹色の輝きが生まれるのが、特徴だ。

 並んだLMはどちらも20インチでディスク部はゴールド。一見すると明確な違いはわかりづらい。けれど表面のリム部分をよく見れば、きらびやかな会場の照明が印象の異なる光を反射していることがわかる。

「シルバーダイヤカット」リムを採用した従来品は、輝きの中に虹色の色彩が浮かび上がる。だが新色の 「BKBD」リムは、よりクリアで透明感が強調されている印象だ。どちらかと言えば、バフによる後処理が加えられた輝きに近い。好みは分かれるかもしれないが、落ち着き感、高級感は後者の方が高いように思えた。

この新色は、加工に使用するダイヤモンドチップなど、素材から新たな技術を盛り込んだとのこと。BBSらしい「大人のオシャレ」感をさりげなく、けれど確実に盛り上げてくれそうだ。もっとも、すでにLMの購入を考えているユーザーにとっては、ますます悩ましい選択肢が増えてしまうことになるのかもしれないが……。