圧倒的『安心感』がすべての根本
前編・後編でお伝えしたとおり、新型アフリカツインはまったく別のバイクに化けました。
じゃあそれで、具体的にどう感じるのか?っていう部分に触れておきます。
本来、そこがイチバン大事でしょ!っていう話ですけど、あまりにも新型アフリカツインがドリームバイクすぎたのがいけないんです。
新型アフリカツインの走りって?
前編から言っている通り、新型アフリカツイン最大の魅力は、車体の剛性や、今回の場合は電子制御サスペンションによる圧倒的なスタビリティの高さにあると思います。
これがあるから、荒れた路面でも余裕たっぷり。オフロードも安心感が変わらない。
ということは……それが普通のオンロードだったら?
そりゃもう、常に平和の極みですよ。
小難しい走りのうんぬんは全部アフリカツインに『丸投げ』でOKです。
回り込んだワインディングのコーナーだって同じ。
ライディングフォームが何たら……とか、どうでも良くなっちゃうレベルでした。
軽くニーグリップなどでバイクをホールドして、曲がりたい方向をちゃんと見る。
これだけ。
あとはパーフェクトにオン・ザ・レール感覚です。
でも、ここが重要で伝えておきたい。
先代アフリカツインは綺麗な舗装路のコーナーでグイグイ寝かしこんでいくと、あるラインで『ちょっと不安だな』が入り込んできます。
重量のある車体に細いフロントタイヤだから、限界は自ずとある。と思ってました。
それでもよくぞここまで!と先代には感心していたんです。
なのにっ!?
新型はその『前輪の不安感』がまるで無い……感じられない。
逆に、どれくらい踏み込んでいいのかわからなくて、今回は踏み込み切れませんでした。
新型アフリカツインはコーナリングABSも搭載してますから、バイクを寝かせている状態でもABSがサポートしてくれます。
それでもライダー側のメンタル的なブレーキが作動したんです。
こういう経験はあまり無いんですが『怖い』と感じるセンサーがほとんど働かなかった。
とはいえ、ボクの感覚には先代アフリカツインによる『ここから先は注意』という安全ラインが染み込んでいます。
おそらく、そこを踏み越えても大丈夫なんでしょう。
事実、ワインディングを走っている時の新型アフリカツインは、ごくナチュラルにペースが速い。
意識していない間に、たぶん先代よりも良いリズムでワインディングをクリアしていたかもしれません。
不甲斐ない話ですが『怖くなさすぎて、逆に戸惑った』というのが正直なところなんです。
こういうところでもやっぱり新型は、もう先代とは別次元なんだということを痛感するばかりでした。
オフロードだけじゃない、ワインディングでの走りも圧倒的に進化しているんです。
それがあまりもスゴくて、もっともっと乗りこまないと、わからないほどの高みにあると感じました。