排気量が1100ccもあるのに、まるでスピードを出そうと思いません。ぶっちゃけ言うなら、それほど速いわけでもない。だけど『イイなぁ~』って、すごく思う。価格で約136万円は高価ですけど、それを途中から高いと思わなくなった自分がちょっと怖い……。

旧車好きでも、CB1100EXには納得する

とはいえ、音だけじゃあ……と思うのが普通でしょう。

ですけどCB1100EXは音だけじゃないから、余計にヤバいんです。

アナログ2連メーターの雰囲気もいい感じです。

最高出力90馬力は7500回転で発生。

タコメーターのレッドゾーンは8500回転から。

なのですが……すみません。

もし、このバイクのオーナーになったら、たぶんボクはほとんど4000回転以上回すことが無いだろうと思えています。

そこまでで十分。それで最高に楽しいから。

一般道なら3速3000回転あたり。4速なら2500回転強でざっくり時速60km。

ここが……この2500回転から3000回転あたりのフィーリングが快感すぎるんです。

音と振動に陶酔。

もうね、ゆったり走るだけで幸せ満点ですよ。

むしろスピードを出すと、味わいを楽しめないから逆にスピードを出したくない(笑)

CB1100EXに身も心も委ねる

感覚で話をするならCB1100EXっていうバイクに、全部を委ねるような走りのイメージ。

クラシックな雰囲気でもホンダのバイクらしく、ゆっくりでも安定感は抜群です。

難しいことなんて何も考える必要がありません。

ライダーはただ、音と風と感じていればいい。

そうすると気持ちが『無』になる時間にどっぷり浸れます。

これは高速道路でも同じこと。

トップギア6速で4000回転で走ると、メーター読みで時速110kmをすこし下回るくらい。メーター誤差を考慮すると、ちょうど100kmってところでしょうか。

もちろん1100ccのエンジンなので、スロットルを一発開ければ、そこからいくらでも加速してくれます。

でも、それをしようと思わないのがCB1100EXのスゴいところ。

高速道路で軽自動車の後ろを時速80kmで走っていても苦痛が無いんです。

どっしりとした安定感の中で、気持ちは常に水面のごとく穏やか。

こういうおおらかさのある大型バイクって、実はなかなか出会えるもんじゃありません。

ちなみに先のメーターの写真で気づいた人は気づいたでしょうけれど、CB1100EXはETC2.0が標準装備です。

クラシックなスタイルですけど、便利なところはちゃんと便利。

そして

グリップヒーターもこっそり標準装備。

ここも快適なところは、ちゃんと現代的に快適です。

このふたつだって、後付けしようと思ったら下手すりゃ10万円コースですから、標準装備なことに感謝!ですよね。

そう考えると136万円は実質……

となるとCB1100EXの136万2900円って、実質126万円くらいなのかな?って感じます。

今のご時世、ETCはもう必需品でしょう?

グリップヒーターはそれこそ一度味わったら、二度とそれ無しではいられないほど快適です。

そのうえでABSもあって安心だし、アシストスリッパ―クラッチもついてる。

ヘッドライトだって丸目1灯だけどLEDですしね。

こういう装備の充実もありつつで『ゆっくり走って幸せ満点』なのがCB1100EXなんです。

なので本当に困ります。

だって136万円の価格が、だんだん高いって思えなくなってくるんですもん。

普通に考えたら136万円って十分に高価です。

だけど、いつの間にか『これで136万円なら悪くないよナァ』に変わってしまう。

CB1100EXって、ある意味おそろしいバイクです……。

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