2020年の干支はネズミですが、ホンダファンに馴染み深い? ネズミといったら、ホンダCR110とドリーム50でしょう? ちなみにそれぞれのモデルが登場した1962年は寅(トラ)年、1997年は丑(ウシ)年でしたけど(笑)。

ミッキーマウスと呼ばれる、CR110のカムカバー

ホンダ初の50cc市販レーサーであるカブレーシングCR110は、1962年にデビューしました。なお1962年は鈴鹿サーキットがオープンした年でもありますが、世界的なモペッドブームを背景に世界ロードレースGPに50ccクラスが新設された年でもありました。

ワークスレーサーRC110/111のレプリカとも呼べるCR110は、世界各国の国内選手権、またはクラブマンレベルのロードレースで大活躍した名機です。

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ワークスマシンをベースに作られたCR110は、空冷4ストローク単気筒DOHC4バルブエンジンを搭載。1950〜1960年代のホンダCRレーサーはいずれも、動弁系にカムギアトレインを採用するのが特徴でしたが、CR110のカムギアトレインを構成するパーツのひとつであるそのカムカバーは、ディズニーの人気キャラクターである「ミッキーマウス」の頭部シルエットに似ていました。そしていつからかは定かではありませんが、CR110のカムカバーは多くの人から「ミッキーマウス」と呼ばれることになります。

ドリーム50に継承された「ミッキーマウス」

1980年代までホンダは、旧いモデルの部品供給状態が良いメーカーでした。当時プレミアがついて高価なCR110は買えなくても、カムカバーだけなら買える・・・・ということで、部品としてCR110用カムカバーを購入し、それをガレージや書斎の壁に飾るベテランホンダファンは多かったです。

カムギアトレイン、強制開閉式キャブレター、乾式多板クラッチ、そして8速ギアボックス(初期型は5速)を採用するCR110の心臓部。

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1997年、ホンダはドリーム50をモチーフにした「ドリーム50」というモデルを発売します。CR110と同じ4ストローク50ccの原付モデルだったドリーム50は、多くのホンダファンから注目されるモデルになりました。そしてエンジン右側と左側の違いはありますが、ドリーム50にも「ミッキーマウス」が取り付けられています。

こちらは1998年1月に発売されたバリエーションモデル、ファクトリーマシンのカラーリングを施した「ホンダ ドリーム50 スペシャルエディション」です。50cc・DOHC4バルブという高級メカニズムを採用する点が、多くのホンダファンや機械好きの関心の的となったモデルです。

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ドリーム50のエンジン左側面。

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またCR110の「ミッキーマウス」は、2本のカムギア、1本のアイドラーギアのシャフトを支える機能部品でしたが、ドリーム50のそれはラバーマウントされた「飾り用」のプレート的な作りでした。ロードレースに勝つために生まれた市販レーサー、そして公道走行を楽しむための量産原付市販車いう両者の誕生の背景の違いが、このような仕様の差として現れているのでしょう。

今年の年賀状の絵柄に、CR110 or ドリーム50を選んだホンダファンも少なくないかもしれませんね。個人的にはドリーム50発売からもう20年以上経っている!! という事実に驚いている次第です。十年一昔と言いますが、さしずめ二十年大昔・・・というカンジですね・・・。