第46回東京モーターショー2019、2019年10月23日の本日プレスデーにて、Hondaの代表取締役社長である八郷隆弘さんがfit、Honda e:を含むHondaの未来について語ってくださいました!その全文をどうぞ。

現場記者からヒトコト

Hondaブースは現在とにかく海外メディアさんの数がハンパなく、写真もゆっくり撮れないくらい大盛況です〜!

2030年ビジョンと東京モーターショーへの想い

Hondaは、創業以来、世の中の人々の役に立ちたいという想いで、二輪車、四輪車、パワープロダクツ、ビジネスジェットといった幅広い商品を通じて、移動と生活に新たな価値を提供することに取り組み続けています。さらに2030年ビジョンとして「すべての人に、『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」ことを掲げ、事業を進めています。

本日は、Hondaにとってホームマーケットでのモーターショーということで、ひときわ特別な想いがあります。東京モーターショーとは、日本の底力、日本だからこそ創れる新しい価値を、日本から世界のお客様に向けて発信していく場であるべきと、私たちは考えています。

同時に、今回の東京モーターショーを通じて、未来を担う若い人たちをはじめ、幅広いお客様にもっとクルマやバイクに興味を持っていただきたい。そしてさらに、Hondaのモビリティーで移動の喜び、日常の生活の可能性が拡がることを、この会場でぜひ実際に体感していただきたい。そういった想いを込め、「自分をもっともっと連れ出すんだ」をテーマに、ブースを展開しています。

本日は、2030年ビジョンを具現化した商品や、日本から世界に発信する魅力ある商品をご紹介していきます。

Honda e:TECHNOLOGY ~生活の可能性を拡げる提案~

2030年ビジョンで掲げた「生活の可能性を拡げる」上でカギとなるのが「電動化」と「エネルギー」です。

Hondaはこれまで、一人ひとりの生活に役立つことを目指し、四輪の領域では20年以上にわたって電動化に取り組む一方、発電機や汎用エンジンといった、電力やエネルギーを作る製品も展開してきました。さらに、クルマで作った電気を外部に給電できる「Power Exporter 9000(パワーエクスポーター9000)」や、電気を手軽に持ち運べる着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(ホンダモバイルパワーパック)」など、製品をエネルギーや電気でつなぐ取り組みも行っています。こうしたエネルギーを「つくる、つかう、つながる」というサイクルを今後さらに循環させ、移動と暮らしをシームレスにつなぐことで、Hondaならではの新しい価値を提供し、カーボンフリー社会の実現に貢献していきます。

こうした「移動と暮らしの価値創造」 を具現化する、エネルギーマネジメントを含めた高効率電動化技術を、新たに「Honda e: TECHNOLOGY(ホンダ イー テクノロジー)」と定め、今後、商品や技術を通じて一貫したコミュニケーションを展開していきます。電気やエネルギーを使った二輪・四輪・パワープロダクツをお客様にお使いいただく中で、Hondaならではの新しい価値を提供したい。これにより人々の元気や笑顔をつくり、日々の暮らしをより豊かにしていくパートナーになりたい。Honda e:TECHNOLOGYには、そうした想いを込めています。

四輪車では、電動化コア技術である高効率・低燃費な2モーターハイブリッドシステムを、新たに小型車にも適用できるよう進化させました。そして、Honda e:TECHNOLOGYの傘のもと、モーター走行を中心とした、新たな時代のハイブリッドモデルとして「e:HEV(イー エイチイーブイ)」と定め、来年2月に発売を予定している新型「FIT(フィット)」や新型「ACCORD(アコード)」など、順次、訴求を展開していきます。このe:HEVを主軸に、2030年までにグローバルで四輪車販売台数の3分の2を電動化する取り組みを、今後さらに加速していきます。

「生活の可能性の拡がり」を提供するHondaからの新たな提案として、未来志向の都市型コミューター「Honda e(ホンダ イー)」を来年日本で発売します。Honda eは、10年先のクルマの姿を描いて具現化した、EV専用モデルです。

充電・給電システムに対応し、エネルギーのやりとりを体感できるほか、独自のAI技術により、お客様と自然な会話で情報提供を行う「Honda Personal Assistant(ホンダ パーソナル アシスタント)」を搭載するなど、クルマが社会や日常生活とシームレスにつながる未来のカーライフを、ひと足はやく体感いただけるクルマです。

二輪車においても、配送や宅配用途で使われる“働くバイク”を中心に、Honda e:TECHNOLOGYで電動化を展開していきます。本日初公開する電動スクーター「BENLY e:(ベンリィ イー)」と、三輪電動車「GYRO e:(ジャイロ イー)」は、着脱式バッテリーHonda Mobile Power Packの採用により、配送拠点で、手軽なバッテリー交換が可能です。私たちが日常生活でよく目にする“働くバイク”の電動化を進めることで、皆さまに、より静かでクリーンな生活環境を提供するとともに、働く方々の笑顔にも貢献できればと思います。

BENLY e:は来年春の発売を予定していますが、これに合わせて、二輪車のコネクテッドサービスを開始します。メンテナンス通知サービスなど、事業主であるお客様と二輪車、そしてHondaがつながることで、業務でお使いいただく際の安心、安全をさらに向上させていきます。

こうした二輪車・四輪車の電動モビリティーを、Hondaの持つパワープロダクツやエネルギーによってつなぐことで、これまで以上に「移動と暮らしの価値創造」を進化させる、そんなHonda e:TECHNOLOGY ならではの新しい世界を提案していきます。

新型FIT

2001年、コンパクトカーの新たなベンチマークを目指して日本で誕生したFITは、優れたパッケージング、燃費、走り、デザインを兼ね備えたクルマとして、ご好評をいただいてきました。その後もグローバルで進化を続けた結果、これまでに全世界で750万台以上を販売してきました。

新型FITで目指したのは、新しい時代のコンパクトカーのスタンダードを作り上げることです。世界の中でも、コンパクトカーに求めるものが特に厳しい日本市場で認められてこそ、新しい時代のスタンダードになるという想いのもと、日本のお客様とまっすぐに向き合い、日本から世界に提案するグローバルモデルとして磨き上げました。

皆さまの日々の生活に寄り添い、単なる移動手段でなく、生活そのものを、心地よく、豊かにする。そんな存在となることを目指した新型FITは、新しい時代のコンパクトカーであり、まさに、次のHondaのクルマ作りの標準となるモデルです。

安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の最新機能や、最新のHonda e:TECHNOLOGY、シンプルで親しみやすいデザインを採用するなど、このコンパクトなボディーに、私たちの想いと最新技術を詰め込みました。また、この新型FITから車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダ コネクト)」を活用した新しいサービスを開始し、今後、国内で発売する新型車やフルモデルチェンジ車にも、順次採用する予定です。

新型FITは、その走りや質感など、私自身、手ごたえを感じています。来年2月の発売に先駆け、本日、日本のお客様にひと足早くお披露目できたことを、非常にうれしく思います。

最後に

Hondaは、すべての人々に生活の可能性が拡がる喜びを提供すべく、これからもさまざまな分野で挑戦を続けていきます。東京モーターショー2019でもぜひ、2030年ビジョンを具現化した幅広い商品を、皆さまにお楽しみいただければと思います。