バラードスポーツCR-Xとホンダをこよなく愛するカメラマン伊藤嘉啓氏の愛車CR-Xのオドメーターはなんと70万kmを越えている。これまで一体どこへ向かったのか、なぜそこまでCR-Xを愛するのか、そして今後の走行距離は何万kmに到達するのか…この連載を通してCR-Xの魅力とともに徐々に紐解いていく。クルマって当たり前に便利だけどその進化は凄まじい。この先の進化も楽しみになりそうな、その変化をどうぞ。(文:伊藤嘉啓/デジタル編集:A Little Honda編集部)

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昭和生まれのクルマ好きとしてはちょっと寂しい変化の数々。でも、その進化はホントにスゴイ

昭和生まれのボクには、最新のクルマはまだ馴染めていないところがあるんだなぁ。

CR-Xもそうだけど、あの当時の小型車は、まだまだマニュアルトランスミッションが主流で、オートマチックは運転の苦手な人や女性向きっていう風潮だったような気がするんだ。

だけど、今じゃマニュアルトランスミッションは、ごく一部のマニア向けに用意してますといった感じで、ボクとしてはちょっと寂しい……。速さとか燃費でいえば、すべてを緻密に制御した方が高効率なのは理解してるつもりだけど、ボク個人としてはクルマと対話しながらギアチェンジしたりするのが大好きだからね。

操作っていえば、今時はライトもオートが当たり前で、周囲が暗くなれば自動で点灯して、明るくなれば消灯してくれる。

ボクのCR-Xには当然ながら、そんな機能はない。でもね、ライト消し忘れ警告ブザーってのは付いてるんだ。

警告ブザーといえば、平成の最初のころまでは100km/h警告音が鳴るっていう機能もあったなぁ。ホンダのクルマは『ピーッピーッ』ていう電子音で、ボクのCR-Xは今でもキチッと機能してるね。

それから、昭和のクルマには灰皿が必須だったんだけど、今ドキのクルマはオプションらしいね。ボクはタバコを昔から吸わないんだけど、あの頃は『クルマ好き』=『タバコ吸う』みたいな感じで、灰皿は一等地に付いてるのが当たり前だったんだ。

ボクみたいな禁煙派は少数だったのに、いつの間にか喫煙派の方が少数になっちゃうなんて時代は変わるもんだね。

そして、灰皿の下にあるのはカセットテープが収まるリッド付きのボックス。懐かしのアイテムだよね。当時は、家庭用のオーディオにやっとCDが登場した頃で、カーオーディオの主流はまだまだカセットテープだったんだよね。

ボクのCR-Xは純正オプションのカセットデッキから、CDチューナーに換えちゃったんで、このボックスにはETC車載器を入れてるんだ。カセットからCD、クルマ向けにMDなんて規格もあったけど、普及しないまま消えちゃった。今じゃ、音楽はダウンロードが当たり前になったね。

CR-Xの場合、リッド付きの物入れは、インパネ上部の真ん中にもあるんだ。今なら、間違いなくここにナビゲーションが組み込まれそうな一等地。デジタルメーター仕様の前期1.5iは、ここにエレクトロニックナビゲーターっていうのが、付いてたんだよね。

他には、保安基準の改正で今のクルマに必要がなくなったパーキングランプのスイッチが、ステアリングコラムの上に付いてるのも、ホンダ車の特徴かな。

ハザードのスイッチも兼用なんだけど、あの頃のクルマはステアリングコラムに付いてるのが意外とあったんだよね。それに今じゃハザードスイッチは、助手席からでも押せるようにインパネ中央付近にあって便利だよね。

それから水温計。水冷エンジンのクルマには必ず付いてるメーターだとずっと信じて疑わなかったんだけど、最近の軽自動車とかは必要ないみたいだね。エンジンが冷えてるときや、何らかの異常がある時だけ点灯する警告灯が備わってるから問題ないみたい。

なくなったといえば、レギュレーターハンドルも。何だそりゃ?って思う人がいるかもしれないけど、窓を開閉するためのハンドルなんだ。今じゃ、パワーウインドウが当たり前。だけど、昭和の末期位までは、パワーウインドウは贅沢なアイテムで、バラードスポーツCR-Xには全年式を通して設定はないんだ。

そういえば、キーシリンダーも今のクルマからなくなっちゃったね。スマートキーが当たり前で、エンジンの始動はキーを捻るからボタンを押すになって、ちょっぴり味気ないって思っちゃう(笑)

当時は贅沢で高価な装備が、今や軽自動車なんかにも当たり前で付いてくる時代。クルマの進化を昔から見守ってる側としてはその変化がちょっと寂しく感じるときもあるけど、安全で便利で、もっと多くの人の移動を楽しくしてくれると思ったら、そんな未来も応援しないとね。

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