バラードスポーツCR-Xとホンダをこよなく愛するカメラマン伊藤嘉啓氏の愛車CR-Xのオドメーターはなんと70万kmを越えている。これまで一体どこへ向かったのか、なぜそこまでCR-Xを愛するのか、そして今後の走行距離は何万kmに到達するのか…この連載を通してCR-Xの魅力とともに徐々に紐解いていく。今回は『昭和のホンダ車ミーティング』ネタ最終回。(文:伊藤嘉啓/デジタル編集:A Little Honda編集部)

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ホンダL800って、なんじゃそりゃ?

昭和のホンダ車ミーティングネタも、これが最終回。まずは、滅多に走ってる姿を見かけないレアなホンダ車から紹介したい。

角張ったシンプルなスタイルで目立ってたのが、このホンダL800。

なんじゃそりゃ? って思う人もいるかもしれないけど、これは半世紀以上前の1965年9月に発売されたライトバンで、エンジンはDOHCっていうホンダじゃなきゃ造らないような商用車だったんだ。

S600の排気量を若干大きくした687ccのエンジンを積んだL700が最初のモデルで、L800はそのマイナーチェンジ版といったところ。

ちなみに、ライトバンをベースにしたピックアップトラックのP700というのもあって、ツインリンクもてぎのホンダコレクションホールに展示されてるので、見たことがある人もいるんじゃないかな。

車名のLはライトバンの頭文字で、Pはピックアップの頭文字からきてるんだ。

L800はをS800と同じエンジン「AS800E型」を積んだモデル。S800よりも、若干圧縮比を下げて、キャブレターもS800のようなCV型4連からシングルに変更した商用車向けのエンジンを積んでる。

このDOHCエンジンを積んだ個性的なライトバンとピックアップトラックは残存率が少ないようで、ナンバーが付いて実働してるのはわずかしかないんじゃないかな。

世の中には、密かにコレクションしてる人もいるようだけど、こうして自走でやってくるのは、とても珍しいのだ。

モトコンポとお揃いカラーの軽トラ

次は、軽トラックが2台。しかも、どちらの荷台にもモトコンポが積まれてる。丸ライトが縦に2連という、超個性的なマスクはTNトラックシリーズのTN-Vと、ファニーな顔つきが魅力のバモスホンダ。

この2台の軽トラは、空冷N360のエンジンをミッドシップ専用に設計し直したエンジンを荷台の下に積んでる。

見た目は、大幅に違うけど中身は意外と共通だったりするんだ。2台とも積み荷のモトコンポと同じカラーリングってのが、とってもオシャレだよね。

モトコンポは、シティのわずかなトランクスペースに積むために編みだされたバイクなんだけども、こうやって軽トラの荷台に積んで、魅せるってのもおおいにアリ!

そして締めにはCR-X!

最後は、やっぱりCR-X。赤と白のツーショットは初期型1.5i。

しかも1.5iだとオプション扱いになる丸穴が4つ空いたアルミホイールも履いてるし。今じゃバラードスポーツCR-Xは、当時の量販グレードだった1.5iよりも、DOHCエンジンを積んだSiの方が流通してる状況。

こうしてオリジナル状態を保った初期型1.5iが並ぶのは、意外とレアだったりするかもね。そういえばCR-Xってカラーバリエーションが、たったの3色しかなかったんだ。写真の赤と白、そしてタミヤのプラモデルで箱絵に描かれてる青があったんだよね。

ちなみに黒はSiだけの専用色で、Siには青の設定がなくて赤、白、黒の3色が設定されてたんだ。正式には赤はビクトリアレッド、白はグリークホワイト、青はバルチックブルー、黒はブラックバーンメタリックっていう名前になってる。

下の写真のカラーチャートは、Siが追加発売された頃に商談のため販売店向けに用意されたものらしく、あまり一般には出回らない貴重な資料。昭和のホンダ車は、実に奥が深い。

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連載【地球に帰るまで、もう少し。】第1回から振り返ろう!