バラードスポーツCR-Xとホンダをこよなく愛するカメラマン伊藤嘉啓氏の愛車CR-Xのオドメーターはなんと70万kmを越えている。これまで一体どこへ向かったのか、なぜそこまでCR-Xを愛するのか、そして今後の走行距離は何万kmに到達するのか…この連載を通してCR-Xの魅力とともに徐々に紐解いていく。今回はホンダファン濃度高めのイベントの中身を。ホンダ愛が深まる理由がわかる気がする。(文:伊藤嘉啓/デジタル編集:A Little Honda編集部)

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ツインリンクもてぎ『VTECミーティング』へ参加してきた

デルソルミーティングの翌週は、またまたツインリンクもてぎで『VTECミーティング』なるマニアックなタイトルの集まりに行ってきたんだ。

VTECっていうのは可変バルブタイミングリフト機構(Variable Valve Timing&Lift Electoronic Control System)の略で、簡単にいってしまえば低速用と高速用のカムを走行状況に応じて切り替えるっていうメカニズム。

可変バルブタイミングの機構だけなら、すでに他社がやってたりするんだけど、ホンダの凄いところはバルブタイミングだけじゃなくって、リフト量も可変にしたこと。だから、パワーと燃費を両立させることができたんだ。

最初にVTEC機構を組み込んだB16A型エンジンを積んだ2代目のインテグラがデビューしたのが1989年。そんなB16A型エンジンは、ボクが乗ってるCR-XのZC型エンジンと実は関係があったりする。

B16A型エンジンの低速用カムプロフィールは、中低速のトルクが豊かな市販車のZC型とほぼ同じで、高速用のカムは当時人気だったグループAレースのシビックに積まれてたZC型のエンジンに近いんだ。つまりB16A型は、ZC型の市販車とレーシングカーのイイトコ取りをしてるエンジンってワケ。

今年はB16Aが誕生してから早いもので30年。ってコトは、爽やかだったマイケル・Jフォックス(2代目インテグラのCMで“カッコインテグラ”とか“調子インテグラ”ってセリフを言ってた)もいいオッサンになっちまったってことか。

インテグラでデビューしたB16A型は、その後シビックとCR-Xに積まれて、サーキットや峠でライバルのトヨタレビン/トレノと鎬を削ってたのを覚えてる人も多いだろうし、実際に乗ってたなんて人も意外といるんじゃないかな。

そんなVTECエンジンは、ホンダの主力になっていって色んな車種に積まれたのはご存知のとおり。この集まりは、VTECエンジンの中でも第一世代と呼ばれるクルマたちを対象に、日本各地から50台程が集まってきたんだ。やっぱり多いのは初代のインテグラタイプRやシビックタイプR、サイバーCR-XといったB型エンジン搭載のクルマたち。残念なのは、VTECエンジンを最初に搭載した2代目のインテグラがいなかったことかな…。

他にも5代目アコードや4代目プレリュード、忘れちゃいけないNSXにS2000などなど。

これだから、ホンダはやめられない

この日、参加者達にとって最大のお楽しみは、元ホンダのエンジニアによる特別講話。会場に招かれたのは、NSXやS2000、インテグラタイプRといったホンダのスポーツマインド溢れるクルマの開発に中心的な役割を果した上原繁氏と、ZCエンジンや数機種のVTECエンジン設計に携わり、グループA、JTCC、N1耐久等のツーリングカーレースにも深く関わってた川田恵一氏の両名。

今だから話せる、開発中のエピソードなどちょっとここでは書けない話もあったりして、参加した人たちにとっては興味津々だったんじゃないかな。それに当時の設計者たちから、愛車にサインをもらうなんていうのは、なかなかできないからね。

こうやって、ホンダ愛がさらに深まっていくんだ。

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連載【地球に帰るまで、もう少し。】第1回から振り返ろう!