先日行われたMotoGPのアメリカズGPでは、アレックス・リンスが見事優勝しました! この業績を祝って、過去のスズキMotoGPマシンの優勝を振り返ってみました!

初優勝は2007年でした!

4ストローク990ccマシンが参加できるMotoGPが始まったのは、2002年のことでした・・・(遠い目?)。この年からスズキはV型4気筒のGSV-Rを投入。開幕戦の雨の日本GP(鈴鹿)では、梁明が2位表彰台を獲得! 第12戦ブラジルGPではケニー・ロバーツJrが3位表彰台に登壇しています。

2002年、スズキGSV-Rに乗る梁明。この年の当初スズキはダンロップタイヤを使いましたが、途中からミシュランに変更しています。

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しかし2003、2004年は一度も表彰台に上がることもできないシーズンとなってしまいます・・・。2005年はK.ロバーツJrが第9戦英国GPで、2006年にはクリス・バーミューレンが第14戦オーストラリアGPで2位になりましたが、なかなかMotoGP初勝利に手が届かないまま月日が過ぎて行きました・・・。

排気量上限が800ccとなった2007年、ついにスズキMotoGPチームに歓喜の時が訪れました! GSV-Rライダーとして2年目のC.バーミューレンが雨のフランスGPで、スズキMotoGPマシン初の優勝を記録することになったのです。

雨のフランスGPで、2位のマルコ・メランドリ(ホンダ)に12.599秒差をつけて優勝したC.バーミューレン +スズキGSV-R。

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2勝目は2016年でした!

2008年はバーミューレンが第10戦ドイツ、第11戦アメリカで2戦連続3位表彰台獲得。そして新加入のロリス・カピロッシが第12戦チェコで3位表彰台をゲットしました。しかしその後、スズキがMotoGP参戦を中止する2011年シーズンいっぱいまで一度も表彰台に上がることはなく、スズキMotoGPチームは苦難の期間を過ごすことをなってしまいました・・・。

2012〜2013年の参戦中止期間を挟んで、2014年最終戦バレンシアに参加したランディ・ド・プニエは、V4から並列4気筒にエンジン型式を変更したGSX-RRに乗っていました(結果はリタイア)。そして2015年からはフル参戦を再開しますが、初年度はマーベリック・ビニャーレスもアレイシ・エスパルガロともに、表彰台を得ることはかないませんでした。

翌2016年は、MotoGPクラス30戦目という節目のレースとなったビニャーレスが、英国GPでスズキMotoGPチームに2勝目をもたらしました! それは最初の周で赤旗が提示され、周回数が短縮されるという荒れた展開のレースで拾った金星でした。

2016年英国GPで、19周に短縮されたレースを制したM.ビニャーレス。GP最高峰クラスのドライコンディションにおけるスズキ車の最後の優勝は、2001年バレンシアのセテ・ジベルナウ以来の、15年ぶりの優勝でした。また余談ですが、英国GPの舞台であるシルバーストーンでのスズキ車の最高峰クラス勝利は、1982年・500ccクラスのフランコ・ウンチーニ以来の記録でした。

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そして・・・3勝目が2019年に記録されました!

2017年シーズンは、アンドレア・イアンノーネとA.リンスのコンビで挑むものの表彰台獲得はゼロに終わります。しかし同じメンツで参戦した2018年シーズンは、イアンノーネが3度、リンスが2度の3位表彰台を記録。そしてイアンノーネが1度、リンスが3度も2位表彰台に上がるなどの活躍を披露しました。

スズキMotoGP3勝目となるアメリカズGPのリンスの優勝は、ワークスホンダRC213Vに乗るマルク・マルケスとカル・クラッチローが転倒したことに、助けられた側面があるのは否めないでしょう。しかし、元MotoGP王者のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)相手に巧みなレース巧者ぶりを見せて優勝したのも事実ですから、リンス+GSX-RRのポテンシャルの高さを否定する人もいないと思います。

元王者ロッシを相手に、堂々と渡り合ってキャリア初優勝を手にしたA.リンス(右)。

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2002年から2019年でMotoGPクラス通算3勝・・・この結果に満足するスズキファンよりは、不満を覚えるスズキファンの方が多いでしょう・・・。多くのスズキファンが期待するのはズバリ、2ストロークのGP500ccクラス時代だった2000年のK.ロバーツJr.以来となる、最高峰タイトル奪取のはずです! 欧州ラウンドに入る第4戦からのスズキMotoGPチームの活躍に注目しましょう!