1年に100本以上の映画を鑑賞する筆者の映画評。今回はジェイク・ギレンホールとアン・ハサウェイ主演のロマンティック・ラブコメディ『ラブ&ドラッグ』。
実在のバイアグラのトップセールスマンの自伝をベースにしたラブ・コメディ。
超絶モテまくりの女たらし、ジェイミー・レイディ(ジェイク・ギレンホール)。上司の恋人との火遊びがバレて仕事をクビになり、弟の紹介で巨大製薬会社ファイザーのMR(メディカル・レプリゼンタティブ=営業職)として働き始める。
チャンスを求めて働くジェイミーだったが、ある時 とびきりセクシーで奔放な女性マギー・マードック(アン・ハサウェイ)と出会い、すぐさま大人の関係を楽しみ始める。
やがてジェイミーはファイザーの新薬バイアグラの扱いを開始、得意のプレイボーイぶりもあって一躍トップセールスマンとなっていくが、同時に、マギーへの感情が肉欲だけでなく心からの愛へと変わっていくことを自覚する。しかし、マギーは重篤な病を抱えていた・・・・。
実在のバイアグラのセールスマンの自伝的ノンフィクションを原作とした、エロティックな描写満載のラブ・コメディ。アン・ハサウェイの見事な裸体をふんだんに拝める点でも超お得な作品だが、愛だけではどうにもできない重いテーマを抱えた、ヒューマンドラマでもある。
チャラさを演じる男が知る、真実の愛
両親や兄弟、歴代の恋人にさえ「愛してる」の一言を口にしたことがなかったジェイミーだが、重い病を抱えるがゆえに誰とも心の交流を持とうとしない美女マギーに対して、真の愛情を覚える。
本作は人生において、真剣に誰かと関わったり、何かにコミットして生きていくことを避けていた男女が初めて知る本当の愛を描いた、重篤な物語である。