年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自の視点で、今観るべき・今からでも観るべき一本をご紹介。今回は「アベンジャーズ」シリーズの最終決戦に参戦すると思われる女性ヒーローの『キャプテン・マーベル』。

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)最強のキャプテン・マーベル

ストーカーの男に密室に閉じ込められた母子の『ルーム』でオスカー(主演女優賞)を獲得した若手女優のホープ、ブリー・ラーソンが、マーベルコミック最強と思われる女性ヒーローを熱演。
DCコミックで言えばワンダーウーマンやスーパーガールに相当する存在だが、強さから言えばスーパーマンクラス。それがキャプテン・マーベルだ。

今回の作品では、地球人でありながら凄まじいまでのスーパーパワーを持つキャプテン・マーベルの誕生秘話が描かれ、同時にアベンジャーズの生みの親であり、平和維持を目的とする世界的諜報機関シールドの長官となるニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)との接点が明らかにされている。(余談だが、フューリーが片目を失った”事件”についても語られている)

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でラスボスであるサノスによって存在を消し去られてしまうフューリーが、消える寸前にSOSを送る相手が、ほかならぬキャプテン・マーベル。アベンジャーズが瀕している絶望的な状況を逆転する為の、最後の希望が彼女であることが示唆されているが、それもそのはずで、冒頭に書いたように、彼女の無敵ぶりは小気味いいほどで、スーパーマンのそれを彷彿させるうえに、スーパーマンが持つような弱点(クリプトナイト:クリプトン星の鉱物で、クリプトン人に悪影響を及ぼす。浴び続ければ力を失い、肌の色が緑色に変化した後に死に至るも持っていないように見える。

本作では、キャプテン・マーベルが記憶障害に苦しみつつも、敵対する宇宙人たちとの戦いを続けるうちに1990年代の地球に降り立つ。フラッシュバックする記憶の中には、自分が地球人であるかのようなシーンもあり、悩む彼女だったが、やがて真の敵の存在が明らかになるにつれ、彼女の真の力が覚醒する。

最強のヒーローの誕生と、アベンジャーズとの関係、そして切り札的存在であることを明らかにすることを一義としながら、上質かつスリリングなアクションエンターテインメントに仕上がっている。この作品をみないで『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観るのはあまりにも勿体無い、と言えるが、アベンジャーズシリーズとの関係がなかったとしても、なんとしてもでかいスクリーンで楽しみたい一本だ。

キャプテン・マーベルを演じるのはブリー・ラーソン

前述したように、キャプテン・マーベルを演じるのはオスカー女優のブリー・ラーソン。正直にいうと、彼女には女性ヒーローとしての強さや美しさをあまり感じていなかったのだが(ワンダーウーマンのガル・ガドットのクールさと比べるとね・・)、実際に本作をスクリーンで見ると、なかなかにハマっていて、先入観で低い評価をしていたことを恥じることになった。

演技もアクションも上等で、MCU最強!の評価を得るスーパーヒーローの演者として、十二分に合格点を与えられる出来だった。

ちなみに、本作でも(2018年11月に逝去した)スタン・リーはカメオ出演していて、それもまた本作を映画館で観なければならない、大きな理由の一つになるだろう。

「キャプテン・マーベル」日本版本予告

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