年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自の視点で映画を紹介。
今回の作品はデスクトップの画面だけで展開するサイコサスペンス『search/サーチ』。
失踪した娘の行方を追っていくうちに、自分が如何に娘のことを知らないことに思い知らされて愕然としていく父親の姿を、PCの画面上だけで描くという斬新なアイデアで話題に。

失踪した娘。無事を信じる父親。
全てはデスクトップ上に。

主人公のデビッド・キムは、妻に先立たれてからは男手一つで一人娘のマーゴットを育ててきた。

ある時、突然マーゴットが突然姿を消す。心配したデビッドはマーゴットのノートPCから彼女のSNSなどにアクセスして、消息を得ようと必死に試みるが、そこには彼が思っていた娘の印象とは違う、孤独な女子高生の姿があった。

やがてマーゴットが乗っていたと思われる車が郊外の湖畔に乗り捨てられていることがわかり、事態は最悪の結末を想起させる展開になっていく。

娘の無事を信じ、必死で捜索する父親が、わずかなネット上の痕跡をたどりながら娘を探す模様を、全てデスクトップの上で表現するという、斬新な手法で話題なった作品。観ていて、とにかくバッドエンディングだけは避けてほしいというのが思うところだったが、それも監督の思う壺にハマっていたと言えるだろう。

設定やアイデアだけでなく、しっかりと練られたコンセプトを 見事な手腕で仕上げた佳作

夫にとっては妻、娘にとっては母。最愛の女性を喪った痛みに苦しむ父娘を襲った災厄を、PC上でのアクティビティのみで描写するという実に新しい手法の話題作だが、娘が行方不明になる理由や、背景を緻密なプロットに収めており、アイデアだけでなく、演技も脚本も演出も一級の上等なエンターテインメントだ。

アイデア勝負ではなく、巧みなストーリー仕立てのサスペンスであり、是非とも見てほしい良作である。

映画『search/サーチ』6秒バンパー<はじめて知る闇編>(10月26日公開)

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映画『search/サーチ』6秒バンパー<犯人は誰だ編>(10月26日公開)

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