年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ見るべき映画を紹介。
今回は、突然宇宙からやってきて3日間でほぼ地球制圧してしまった恐怖の侵略者に対して、反撃を試みる人間たちを描く『スカイライン-奪還-』。

伝説的なカルトSF映画『スカイライン -征服-』の続編

本作は2010年に公開されたSF映画『スカイライン -征服-』の続編にあたる。
前作では、突如襲来した異星人によってなすすべなく蹂躙されていく人類を、LAの高層マンションに避難した数人の民間人の視点を通して描かれた。
米軍の戦闘機と異星人の小型UFOとの空中戦なども多少は登場するが、基本的に異星人の母船から発せられる謎の青色光線を浴びた人間たちが、次から次へと母船に吸い込まれていく様が、自分たちが食料として食い尽くされていくかのような根源的な恐怖を与えてくれて非常にインパクトがあった作品だった。(事実、吸い込まれた人間たちは頭部から脳幹を吸い出されて、身体は無残にも捨てられていた)
低予算ながら卓越したVFXと、徹底的に蹂躙されていく中でひたすら絶望感を抱かされる展開(と結末)に、PSTDにさせられそうなスーパーバッドエンドな映画と記憶している。

続編である本作では、前作の設定を多少は残しながらも、ほぼ同じ時間軸で進む別の登場人物たちの話なので、前作を観ていなくても全然だいじょうぶ、そのまま楽しめる作りになっている。

今回は捕食者に狙われて逃げ惑うも、結局は食われていく生き餌の気分を味わされる一方だった前作に比べると(タイトルに”奪還”とあるだけに)人類が異星人に反撃する展開にある。
その意味で、本作だけしか観ていなくても問題はないが、前作を観てトラウマになった人は絶対に本作を観て、心の疵を癒したほうがいいだろう・・。

映画『スカイライン-奪還-』予告編

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なぜか最後は肉弾戦へ

【ストーリー】本作の主人公はLA警察の刑事マーク。一旦は宇宙船に吸い込まれてしまうも、脳を奪われる寸前で逃げ出し、内部で破壊工作を行う。宇宙船はラオスに不時着し、マークは生き残った数名とともに脱出し、ラオスの反政府ゲリラのアジトに身を潜めるが、異星人たちは執拗に追っ手を緩めない。マークは、ゲリラのリーダー スアらとともに、決死の反撃を行う決意をする・・・。

前作は異星人の不思議なテクノロジーの前になすすべなかった人類だが、今回は青い吸引ビームの恐怖は薄れ、ロボット兵士たちとマークらの白兵戦というか肉弾戦がメイン。ゲリラのリーダー役として、インドネシアの伝統的格闘技シラットの達人でハードアクション映画『ザ・レイド』で主役を務めたイコ・ウワイスが配されている。