年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ見るべき映画を紹介。
今回は、元ジブリの米林宏昌監督が制作したファンタジーアニメーション『メアリと魔女の花』。

可愛らしくも凛々しい魔法少女メアリの冒険

赤い館村に引っ越してきたばかりの赤毛の少女メアリ。偶然森で不思議な花”夜間飛行”を見つけたことから、事件に巻き込まれる。その花は、かつて魔女の国から盗まれた魔女の花だったのだ。

魔法の花の力によって魔法が使えるようになったメアリは、花と共にみつけたホウキに乗って魔女の国にたどり着く。そこにあったのは魔法を学ぶ者の最高学府 エンドア大学。
新入生に間違えられて、校長のマダム・マンブルチュークと魔法科学者Dr.デイに校内を案内されるメアリだったが、彼女に備わった力が魔女の花によって生み出されたモノだと知られた時、マダムの表情が一変する・・・。

なんとかエンドア大学を抜け出し、赤い館村に帰り着いたメアリだったが魔法の力は消え去っていた。夢とも現実ともつかぬ体験の記憶に浮つくメアリだったが、そのとき魔法の花の在処を知る彼女に、魔女の国からの追っ手が近づいていた・・・。

ジブリの鉄板とも言える魔女映画を新しい解釈とテーマで構成し、可愛らしくも凛々しい魔法少女の勇気と優しさを描いた作品。

力なき者に残された偉大な力。それが勇気

これいった取り柄もない、平凡な少女がふとした偶然で素晴らしい力 <魔法>を手に入れる。
その力によってあり得ないような体験をするが、その代償として大切な友人を危険に巻き込んでしまう。友人を救いに向かったメアリだが、肝心なときに魔法は消えさる。なんの取り柄もない普通の存在に戻ってしまった少女に残されたものは、友人と交わした(赤い館村に一緒に帰る、という)約束と、その約束を絶対守るという少女の小さな勇気だけだった。

力があるから勇気があるのではなく、勇気があるから力を持つことができる。そんなシンプルな想いを具現化した作品。公開は7月だったが、クリスマスの時期にちょうどいい、家族向けの一本だ。

「メアリと魔女の花」予告3

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