年間100本以上の映画を観ては極力穏健な感想を綴るこのコーナー。
今回紹介するのは大泉洋x松田龍平共演の人気コミカルハードボイルド映画のシリーズ第3弾『探偵はBARにいる3』。

札幌を舞台としたコメディテイストのハードボイルド

『探偵はBARにいる』(たんていはバーにいる)は、日本の探偵映画のシリーズ。大泉洋・松田龍平主演。東直己の推理小説シリーズ『ススキノ探偵シリーズ』を原作とする。第1作『探偵はBARにいる』が2011年、第2作『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(たんていはバーにいるツー ススキノだいこうさてん)が2013年、第3作『探偵はBARにいる3』が2017年に公開された。第3作以外はPG12作品になっている。

2011年から始まった大泉洋主演の私立探偵シリーズの第3弾。
携帯電話を持たず、連絡は日常入り浸っているススキノのBAR「ケラーオオハタ」の黒電話を使うか、相棒兼運転手の高田(松田龍平)のスマホを借りる、というのが基本設定。ちなみに高田は北大農学部の講師をしており、空手の達人。

今回の第3弾では、行方不明になった女子大生を探してほしいという依頼を受けた探偵と高田が、麻薬がらみの暴力団の暗闘に巻き込まれる。数々の脅迫にもめげずに真相を探る二人は、女子大生が在籍していたデートクラブを取り仕切る美女 岬マリ(北川景子)の密かな企てが全ての元凶であることを突き止めるが・・・・。
幾多あるハードボイルド探偵物の基本路線を踏襲しながらも、軽妙でどこかコミカルな大泉洋と飄々とした松田龍平の演技でシリアスさを薄めたライトさを売りとする作品。

安定のほどほど感が特徴

本作では、主演の二人に加えて、物語を左右する謎の美女役に北川景子、デートクラブのオーナーであり暗黒街の大物役にリリー・フランキー。行方不明になる女子大生役に前田敦子、空手の達人の高田を凌ぐ空手の使い手であり暴力団の用心棒的存在として志尊淳など、多彩な顔ぶれを配している。

ストーリーや作り自体はテレビドラマの品質を超えないが、それがゆえに安定があって、安心して観ていられるのが本シリーズの最大の良さ。主人公の探偵には名前がなく(本当にないというのではなく、劇中で名前を呼ばれることがないという意味)、ダシール・ハメットの名無しのオプを思い起こさせる。

12月1日(金)-映画の日ー公開映画『探偵はBARにいる3』 予告

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