そして試合結果は・・・・
世界のボクシングシーンを楽しむなら(WOWOWだけでなく)
DAZNの会員にならなくてはならない理由とは
英国のスポーツメディア企業パフォーム・グループ (Perform Group) が世界展開するスポーツチャンネルの「DAZN」(ダゾーン)。サッカーやテニス、ボクシングなどのさまざまなジャンルで、一流のプロモーション会社・団体と独占契約を締結し、世界中の話題をさらっている。
ボクシングにおいては、先日ゴロフキン を破ってWBAミドル級スーパー王者およびWBC世界ミドル級王者となったカネロことサウル・アルバレスが所属する、米国の大手ボクシングプロモーション会社「ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GOLDEN BOY PROMOTIONS)」と5年間のグローバル放映権を獲得したことも記憶に新しい。
(ちなみにいうまでもないが、ゴールデンボーイとは、ゴールデンボーイ・プロモーションズを立ち上げた、史上初の6階級制覇王者であるオスカー・デ・ラ・ホーヤの現役時代の愛称だ)
要するに、カネロ・アルバレスの試合を見るなら、DAZNの会員にならなくてはならない、そういうことだ。
だから僕はDAZN会員となったのである。そう、米国時間2018年12月15日にNY マディソン・スクエア・ガーデンで開催されたカネロが3階級制覇を目指して、1階級上のWBA世界スーパー・ミドル級チャンピオンの ロッキー・フィールディングと戦うタイトルマッチの放映を見るために。
両者の比較データ
フィールディング | データ | カネロ |
---|---|---|
1987/08/05 | 生年月日 | 1990/07/18 |
イギリス | 出身地 | メキシコ |
28戦27勝15KO 1敗 | 戦績 | 53戦50勝34KO 1敗2分 |
53.5% | KO率 | 64.1% |
185cm | 身長 | 173cm |
191cm | リーチ | 179cm |
右利きボクサーファイター | ファイトスタイル | 右利きボクサーファイター |
見てわかるように、フィールディングはカネロより身長で13cm高く、リーチでも12cm長い。アウトボクシングされるとかなり厄介な相手だ。だが、そもそもフィールディングは案外接近戦(インファイト)を得意としているうえに、カネロの踏み込みは速く、ジャブも得意としている。だから今回の対戦では、互いに距離を置かず、打ち合いとなるのでは、という見方が強い。
そして、打ち合いとなれば、スピードとテクニックに勝るカネロが有利だというのが下馬評である。カネロは身長こそ低いが体格がよく、パワーにおいてもフィールディングを上回っている、と見る向きが多いのである。
とはいえ、ゴロフキンとの第1試合において(スーパーウェルター級からミドル級に転向した際に)、ナチュラルボーン(生まれながら)のミドル級であるゴロフキンのパワーに苦戦を強いられた事例もあるから、いかに天才カネロ・アルバレスといえども必ず勝てる、とは言い切れないのが実際のところだった。
試合展開
予想通り、フィールディングは両腕を折りたたんだ硬いガードでアウトボクシングはしない構え。これを見ていつも以上の積極的な姿勢でサウルが打ち合いを挑む。
試合が始まってすぐ、試合が動く。アルバレスの左ブローがフィールディングのボディに炸裂し、フィールディングが膝をついたのだ。
ダメージは深いがサウルも無理はしない。なにしろまだ1Rなのだ。
逃げ切ったように見えたフィールディングだが、2Rに入ってもサウルがどんどん距離を詰めてくるのでインファイトでの打ち合いに応じざるを得ない。フィールディングは実はアッパーが得意だ。長い腕を利して低い位置から突き上げる。
が、急所を突くのはアルバレスのほう。2R終盤にまたも左のボディアッパーがフィールディング捉え、二度目のダウンを奪うことに成功した。
とにかくゴングがなるやいなやカネロが距離を詰めるので、フィールディングは長身とリーチの優位を生かせず、いたずらに腹を叩かれる。手も出すのだが、アルバレスの突進を止められず、長い腕をガードに使うシーンが多くなる。カネロのボディは実に有効でしつこい。これを嫌うばかりに肘を下げていくと今度は顔を殴られる。なすすべのないフィールディングに対して圧倒的な強さを見せるカネロ。試合終了は時間の問題、と誰もがそう思った時・・・試合が動いた。
試合結果
カネロが放った強力な右は、フィールディングのガードの上からヒットしたが、フィールディングはダウン。かろうじて立ち上がったものの、今度は再び左のボディの強打を受けて、フィールディング、またもやダウン。ここでレフェリーがストップ。試合は終わった。
サウル・カネロ・アルバレスは、難なくスーパーミドル級王者を倒し、見事3階級制覇を成し遂げた。
しかし、試合前から彼はミドル級を主戦場にすることを公言しており、2019年はゴロフキン との第3戦、IBF世界ミドル級チャンプのダニエル・ジェイコブスなどとのスーパーファイトが期待される。