戦後、世界ロードレースGP(現MotoGP)が成立した1949年から10年を経て、1959年からホンダは日本のメーカーとしては初めてGPへ挑戦しました。この連載は、今日に至るまでホンダのマシンに乗って世界タイトル(個人)を獲得した英雄たちを紹介するものです。今回は250ccクラスで2年連続タイトルを獲得したイタリアン、ルカ・カダローラです!

MBA、ガレリ、そしてヤマハへ・・・

イタリアのモデナ出身のカダローラは、1984年にプロフェッショナルライダーとしてのキャリアをスタートさせています。最初の2年間はMBA2気筒で125ccクラスを走っていた彼ですが、1986年にはガレリのファクトリーライダーに抜擢! 見事期待に応え、同じシーズン4勝ながら前年度王者のチームメイトであるファウスト・グレシーニを破り、125ccクラスのタイトルを獲得します。

1986年、チームメイトのファウスト・グレシーニ(ゼッケン1)を破り、自身初のタイトルを125ccクラスで獲得したL.カダローラ(ガレリ)。

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翌1987年からはヤマハに乗り250ccクラスへステップアップ。しかし1990年までの4年間で最も好成績だったのは1990年の年間3位(3勝)。そして1991年からは、ヤマハ時代の自分を一番苦しめたライバルであるホンダのNSR250にカダローラは乗ることになりました。

ホンダ時代で2連覇を達成!

そして迎えた1991年シーズン、カダローラは開幕の日本GPから3連勝という幸先の良いスタートを切ります。その後も順調に勝ち星を拾い、この年8勝をマークして見事初の250ccクラスのタイトルをカダローラは獲得しました。

1991年、250ccクラスでホンダNSR250を駆るL.カダローラ。

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1992年シーズンもNSR250を駆ったカダローラは、7勝をマークしてタイトル防衛に成功。翌1993年はヤマハで500ccクラスへの挑戦を始めますが、1993年はランキング5位、1994年は同2位、1995年は同3位と、異なるメーカーでの3クラス制覇という夢を果たすことは出来ませんでした。

1996年にはホンダNSR500で参戦したカダローラは2勝をマークしてランキング3位を得ますが、この年がカダローラがGPで勝利した最後のシーズンとなりました。その後カダローラはヤマハ、スズキ、MuZ、モデナスとチームを渡り歩き、2000年を最後に現役を退くことになります。