今回は、太平洋の海底の裂け目からやってくる怪獣を迎え撃つ人類の苦闘を描いた『パフィフィック・リム』の続編、『パフィフィック・リム:アップライジング』。
新世代怪獣映画として人気爆発した『パシフィック・リム』の続編
西暦2035年。異世界からの侵略者「プリカーサー」が操る怪獣に対抗するため、人類はパイロット二人が脳波をシンクロさせることで操縦する巨大戦闘ロボット「イェーガー」を開発。
自らの命を犠牲にすることを厭わない勇士達の激闘によって怪獣を斃し、異世界からの侵入口を塞ぐことに成功して10年。それ以来怪獣の侵攻は止まったが、人類はあの恐怖の日々を忘れることができず、最新型のイェーガーの開発やパイロットの訓練は引き続き行われていた。
そんな中、中国のシャオ産業が開発に成功したという無人・遠隔操作(ドローン)型の最新イェーガーの配備の可否を問う実証実験が行われるはずだったオーストラリアのシドニーの街を、正体不明の謎のイェーガーが襲い、多くの犠牲者を出す。
決死の戦いの末、謎のイェーガーを倒したものの、そのイェーガーの恐るべき正体を知った人類の前に、未曾有の恐怖が訪れるのだった。
有名俳優を配し、前作を凌ぐスケール
前作の登場人物としては菊地凛子演じる森マコが続投。パイロットではなく、対怪獣作戦を世界的に受け持つ組織PPDC(環太平洋防衛軍)の事務総長としてだ。
幼い頃に怪獣に襲われて孤児となった彼女を引き取り、育ての親となったスタッカー・ペントコスト司令官は、前作の戦いで太平洋の海底の裂け目を塞ぐために命を落としたが、その実の息子にして天才的なパイロットの才を持ちながらも身を持ち崩していたジェイク・ペントコスト役として、スター・ウォーズの新作シリーズの脱走兵フィン役でブレイクしたジョン・ボイエガが演じている。
そのほか、ジェイクのパートナーとして新世代イェーガーを操縦するパイロット役にクリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッド。CGの完成度を含め、前作をはるかにしのぐスケールの作品になっている。
最終決戦の舞台は日本。ただ、東京から富士山が異様に近いうえ、街に氾濫するネオンの漢字は明らかに中国語・・・制作スタッフに日本人も結構いただろうにもうちょっとちゃんと監修しろよと思ったが、それはご愛嬌。
全体としてはスピーディーかつスリリングで、最初から最後まで飽きずにノリノリで見ていられる上等なエンターテインメント映画に仕上がっている。出来栄えからいえば、前作より上かもだ。