長いシーズンの終わりとなるSBK(世界スーパーバイク選手権)の最終戦、カタールは絶対王者のジョナサン・レイ(カワサキ)がいくつかの大記録更新をかけて戦うレースとなりました。しかしそんなレイの行く手を阻んだのは、意外な「敵」でした・・・!?

金曜日のレース1では、D.ポーレンのシーズン最多勝記録に並ぶ!

26日(金)の予選では、スーパーポール男の異名を持つカワサキのトム・サイクスが1位獲得。自身の持つポールポジション記録を48に伸ばすとともに、今期のスーパーポール・アワードを獲得しました! 2位は僚友のレイ。3位はヤマハのアレックス・ローズ。4位はアプリリアのユージン・ラバティでした。

今年の最終戦、4連覇をすでに決めているレイは、1991年にダグ・ポーレン(ドゥカティ)が記録したシーズン最多勝=17勝の更新に挑戦することになりました。カタールで1勝すれば最多勝タイ。もしレース1、2を完全勝利すれば18勝で新記録樹立! となります。

またレイは昨年556点というシーズン最多ポイント記録をマークしましたが、カタール前に520点を積み上げているレイは自身の記録を破る権利を有して残り2レースにのぞむことになりました。偉大な記録をこれまでも数々残したレイが、さらに記録を生み出すか・・・注目が集まりました。

26日のレース1は、レイが見事ホールショットを奪い、そのまま首位を明け渡すことなく17周を走りきって優勝! まずはポーレンのシーズン最多勝記録17に肩を並べました!

見事、あっさりとD.ポーレン(ドゥカティ、1991年)のシーズン17勝に並んだJ.レイ(1番、カワサキ)。なんとこの勝利で、負け知らずの11連勝です!

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カワサキでは最後となるレースで、2位に入ったT.サイクス(カワサキ)。

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しかし・・・レース2はキャンセルで記録更新ならず・・・

この勢いならレイのシーズン最多勝とシーズン最多ポイント更新は間違いなし・・・と思う人は多かったと思いますが、レイの最大の敵となったのは、ライバルのライダーたちではなく「自然」でした。

27日(土)の朝、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットは激しい雨と砂嵐に襲われることになりました・・・。このままではレース2を行うことは危険、という判断がレースディレクションによって下され、レース2は行われることなく今シーズン終了・・・となってしまいました。

コンディションの悪化により、ロサイルでのレース2は中止となりました・・・(涙)。

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この結果、レイの今シーズンは17勝&545点ということになり、最多勝はポーレンの1991年の記録とタイ。そして昨年のレイの最多ポイント更新はならず・・・ということになってしまいました。

残念ながら2つの新記録は達成されませんでしたが、史上初のSBK4連覇、また回転数制限とリバースグリッド制度というハンデを背負いながら、最多勝タイ記録を樹立したということで、レイの今年の記録は非常に価値のあるものである・・・と万人が認めるに違いありません!

結局一度もSBKタイトルを取ることができなかったV2のパニガーレを退役させ、来年からはV4のパニガーレを主戦として戦うドゥカティワークス、そして今シーズン起用する両ライダーが優勝を経験したヤマハ・・・。レイの5連覇はあるのか? それともそれを阻むライダーがいるのか! 1ラウンド3レース制に移行する来年のSBKに期待しましょう!

SBK2018 第13戦カタール レース1
1 J.レイ Kawasaki GBR 33'34.9132
2 T.サイクス Kawasaki GBR 1.424
3 A.ローズ Yamaha GBR 3.705
4 E.ラバティ Aprilia IRL 4.723
5 M.メランドリ Ducati ITA 10.579
6 L.バズ BMW FRA 13.173

SBK2018 最終ランキング 
1 J.レイ Kawasaki 545
2 C.デイビス Ducati 356
3 M.ファン・デル・マーク Yamaha 333
4 T.サイクス Kawasaki 314
5 M.メランドリ Ducati 297
6 A.ローズ Yamaha 248