今年の10月5〜7日には、タイで史上初となるMotoGPがチャーン・インターナショナル・サーキットにて開催されます! そのプロモーションの一環として8月28日に都内で開催された「MotoGP PTT タイランド・グランプリ2018プレスカンファレンス/ブリーラム・ナイト」にロレンス編集部も参加したので、その模様をリポートいたします!

国家がモータースポーツを支援! 素晴らしいです!

まず第一部、来賓挨拶に登壇したのは、ポーンパヌ・サウェータルンさん(タイ国観光スポーツ省・事務次官)、サンウィアン・フーントーさん(タイ国スポーツ庁・総裁代理)、ジラポーン・カーウサワットさん(PTTオイル&リテールビジネス社 社長代行兼CEO)、そして坂東正明さん(株式会社GTアソシエイション 代表取締役)の4名でした。

プレンスカンファレンス後のフォトセッション。左からジラポーンさん、ネーウィン・チッチョーブさん(ブリーラムユナイテッドFC代表/ブリーラムインターナショナルサーキット代表)、アヌソーン・ケーウカンワンさん(ブリーラム県知事)、サンウィアンさん、ポーンパヌさん、タネース・ペッスワンさん(タイ国政府観光庁 マーケティング・コミュニケーション担当 副総裁)、タヌキアットさん(部長)、坂東さん。©︎ロレンス

登壇者の4名は2輪ロードレース関係・・・というより、ブリーラム県が近年推し進めている「スポーツツーリズム」政策の関係者、といったところでしょう。タイ国観光スポーツ省・事務次官であるポーンパヌさんのお話によると、現在タイ政府は観光スポーツ省によりスポーツ産業の推進と発展に真剣に取り組んでいるとのことで、スポーツ産業の売上高はなんと63億7,000万ドル!!!(7,073億2,480万円!!)におよぶとのことで、これはタイの国内総生産(GDP)4,400億ドルの1.43%を占めることになります。

この分野の成長性に着目したタイ政府は民間部門の投資の後援者となり、スポーツビジネスに参加する民間セクター確保のために精力的になっています。「MotoGP PTT タイランド・グランプリ 2018」は、タイ石油公社のPTTパブリック・カンパニー・リミテッドの後援を受けていますが、この後援関係もタイ政府および観光スポーツ省の方針に沿ったものなのです。

国家が主体的にモータースポーツをバックアップするって、とても素晴らしいことですね・・・。なお、タイ国スポーツ庁・総裁代理のサンウィアンさんのお話の中では、タイのスポーツ庁はタイ国内のモータースポーツを常に支援し、若者をプロ選手に育成するプロジェクトもタイのスポーツ庁にはあることを紹介していました。それに比べると日本は・・・まぁ、そういうのはヤメましょう(苦笑)。

日本のMotoGPファンが、気軽に観戦にいける環境が整備されるといいですね!

2輪のMotoGP開催のプレスカンファレンスに、なぜ4輪レースのGT選手権をプロモートするGTアソシエイション代表の坂東さんが登壇なさるのか・・・? それは過去5年、チャーン・インターナショナル・サーキットでGT選手権年間8戦のひとつとしてタイラウンドを開催してきた実績がGTアソシエイションにはあり、タイ政府もその繋がりと信頼関係を頼りにしているためです。

坂東さんは自動車産業の発展著しいタイと、日本のパートナー関係が深まること・・・を望むとスピーチのなかで主張なさってました。GT選手権のタイラウンドでは、毎年ツアー等を利用して日本のモータースポーツファンが観戦ツーリズムを楽しんでいます。MotoGPのタイラウンドでもそのような流れが生み出され、日本と現地のMotoGPファンの交流が深まることを期待したいです。

タイの有力サッカーチーム、ブリラム・ユナイテッドFCの本拠地、チャーン・アリーナに隣接するチャーン・インターナショナル・サーキットは、2014年9月にオープンしたばかりの新しいサーキットです。1周4,554kmのコース全体を、グランドスタンドから見渡せる点が、モータースポーツファンから高く評価されています。

www.thailandtravel.or.jp

タイと日本の交流の深まりの機会に、MotoGPタイラウンドがなるといいですね・・・。そして美しいタイ美女との交流も深めたい・・・ですね?

www.thailandtravel.or.jp

MotoGP観戦とともに、ブリーラム観光も楽しみたいです!

首都バンコクから約400km離れた東北部のブリーラム県は、10年ほど前までは人々が通過するだけ・・・の静かな田舎でした。しかし近年はクメール文化などの遺跡の観光や、タイ有数の有力チームであるブリーラム・ユナイテッドFCのサッカー観戦、そしてチャーン・インターナショナル・サーキットでのGT選手権やSBK(世界スーパーバイク選手権)などの人気がたかまり、ホテルや商業施設などの開発が進んでいます。

チャーン・インターナショナル・サーキットはFIMのグレードA、そしてFIAのグレード1に認定されたコースです。なおSBKは2015年から開催されています。

www.worldsbk.com

そのほかブリーラムマラソンなど、スポーツツーリズム振興に力を入れているブリーラム県ですが、県内には5,000部屋以上の宿泊施設があるとのこと。これは現在の観光地としての人気を考えると十分な数ではないですが、近隣県のナコーンラチャシーマーやスリンに宿をとる観光客も多いそうです。

タイ国政府観光庁 マーケティング・コミュニケーション担当 副総裁のタネース・ペッスワンさんによると、タイでは2017〜2020年のスポーツツーリズムの年間平均成長率が41.45%! と予測されており、スポーツツーリズムのお客さんたちの平均滞在日数が高いことにも注目しているそうです。今回のMotoGP開催を契機に、どんどん観光地としてのブリーラム県の開発も加速することになるのでしょうね。

プレスカンファレンス後の催し「ブリーラム・ナイト」のディスプレイ。カンファレンスでは将来の4輪F1開催の可能性についての質疑もありましたが・・・回答はなく肩透かしを食らったかたちでした(笑)。©︎ロレンス

ブリーラム県の名産品のひとつが、プーアッカニー布。火山灰(!)、樹皮、木綿糸、染料が原料で、 美しい色合いと柔らかさがその特徴。©︎ロレンス

ブリーラム・ナイトで披露された、電動舞踊のパフォーマンス。©︎ロレンス

最後の抽選は・・・ザンネンながらハズれでした(涙)

そして・・・ブリーラム・ナイト最後の挨拶に登壇したのは、ブリーラム・ユナイテッドFCのオーナーで、チャーン・インターナショナル・サーキットのオーナーでもあるネーウィン・チッチョーブさんでした。スーツ姿の政府関係者が多いなか、スポーツウェア姿のネーウィンさんはかなり目立っていたのですが・・・なるほど、ブリーラム・ユナイテッドFCのウェアで、チーム愛と郷土愛をアピっていたわけですね!

熱く! そしてかな〜り長く(笑)スピーチを披露してくれたネーウィン・チッチョーブさん。かつてタイのなかでも貧しい県の代表例だったブリーラムが年間300万人も訪れる町になったのは、彼が所有するブリーラム・ユナイテッドFCとチャーン・インターナショナル・サーキットの貢献が大きいです。©︎ロレンス

1958年生まれのネーウィン・チッチョーブさんは、政府の重職をつとめた経歴もある有力政治家として、タイの政界で大いに辣腕をふるった人物でもあります。なお父のチャイさんも実業家、政治家として活躍した名士でした。ネーウィンさんは2009年暮れにはアユタヤを本拠にするPEA FCを買収して、今日のブリーラム・ユナイテッドFCの繁栄の礎を築いています。

2015年にはドゥカティのムルチストラーダ1200でタイの高速道路を走り、正々堂々!? と検挙されたという武勇伝? も持つネーウィンさん(※タイでは2輪車の高速道路走行は禁止されてます)。こういう豪快な方が「ブリーラム・ナイト」最後に行われる出席者対象の抽選のプレゼンターをするということは・・・きっと抽選の景品は秋の「MotoGP PTT タイランド・ブランプリ2018」の招待券&航空券に違いない! と私(宮﨑)とSaori記者のふたりは(勝手に?)盛り上がりました!

しかし・・・抽選でいただけるのは・・・ネーウィンさんの娘さん(美人)がデザインした、ブリーラムのシンボル的存在の「ゾウさん」のぬいぐるみでした・・・。でも、とても愛嬌あるデザインなのでこれはぜひともGETせねば・・・と思ったのですが・・・私(宮﨑)とSaori記者、10名の幸運な当選者になれなかったことに、ガチで落ち込んでしまいました(苦笑)。©︎ロレンス

政府関係者を交えてのプレスカンファレンスやレセプションというと一般には堅苦しいイメージがありますが、今回の「MotoGP PTT タイランド・グランプリ2018 プレスカンファレンス/ブリーラム・ナイト」は、ボールルーム内に終始フレンドリーな空気が流れるものでした。

MotoGPとブリーラム観光・・・なんとも魅力的です! ぜひ、ロレンス編集部でもタイランド・グランプリ取材班を組んでもらいたいなぁ・・・(ロレンス編集長をチラ見・・・?)。