みなさま!「ドトッパー」って知ってます?あー、富士急ハイランドね?おお、そうそうってコラ!!それはド・ドンパ
ドトッパーとは、運というかその日のツキに左右されやすい麻雀の世界にあって、常に怒濤のトップを取れる者のことなんです。麻雀の世界を革新しようと立ち上がった「理想雀士」と、彼に認められたドトッパーたちの奮戦を描いた、片山まさゆき先生の大傑作をご紹介します!

麻雀って運ゲーなの?という疑問

実は恥ずかしながら、ぼく、麻雀やったことないんです。正直あまりルールもよく知りません・・・。

逆にいうと、麻雀漫画でありながら、麻雀がわからなくても面白いのが片山先生の麻雀漫画。

その中でも、この『理想雀士ドトッパー』はとにかく面白いです。
というか、ためになる。この漫画で描かれる理想雀士の麻雀理論?(後述)に影響されてる某起業家がいるくらいですw

まず設定なんですが、ざっくりこんな感じ。

プロ雀士を目指す2人の少年 柊と瓦(と彼らの高校の元同級生のセクシーガール2名)は、理想雀士と名乗る不思議な男と出会います。彼は運ではなく実力で勝つ、素人を圧倒しなければプロではない、という信条を掲げ、麻雀業界に喝!を入れようとしています。その日どんなツイている者がいようと素人には負けない、常に怒涛のトップを目指す力と気概を持つ雀士をドドッパーと呼び、自らその象徴として麻雀界に君臨しようとしていたのです。
(まあ確かに麻雀は7割の運と3割の実力というようなことを聞いたことがあります)

良くも悪くも理想雀士の影響を受ける柊と瓦の2人でしたが、やがて麻雀界のドン羊飼の奸計によって理想雀士はプロの世界から追放されてしまいます。理想雀士は改めてドトッパーとしてプロに反旗を翻し、麻雀界は混沌とした戦いの場へとなっていくのです。

どうです?面白そうでしょう??

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理想雀士の流れを読むテクニック

プロとアマの差が極端に少なくて、短期決戦においてはツイている素人にプロがボロ負けするのも珍しくないという麻雀の世界。
プロとアマの差がこんなにない世界は他にない。プロがアマを圧倒しないで何がプロか?という問いかけから始まるこのストーリーも面白いのですが、運ではなく実力で勝つための理想雀士の打ち方がユニークなんです。

麻雀をご存じの方ならお分かりでしょうが、麻雀の勝ち負けは点棒による点数の多さで決まります。最終的にたくさん点数を持っている者が一位になることは言うまでもありませんが、途中経過の優劣も持ち点も測れるでしょうし、振り込んだ(振り込む、とは、他のプレイヤーが捨てた牌に対してロンすること、だそうです。詳しくはこちらをクリックしてください→麻雀のルール)数でもその勢いは測れるかもしれません。

しかし、これこそが麻雀を運ゲーと呼ばせる遠因と理想雀士は考えます。そこで彼は、実際の麻雀卓で繰り広げられる戦いを、勢いというか勝負の流れをしての局面で計測します。具体的にはイケテル (プラスポイント)とヤバゾー(マイナスポイント)というツキのポイントを想定し、他のプレイヤーよりも多くのイケテルを保有することをまず考えてゲームを進めるのです。
だからはたから見ていると、なぜいま振り込まない?とかなぜその牌を捨てるの?というような疑問や驚きを与えることが多くなります。セオリー通りの打ち方ではないからです。

理想雀士は途中経過における点棒の過多にはまったく関心を持たず、最終的にドドンと勝つのです。

これが理想雀士の打ち方です。運を無視するのではなく、運任せでもなく、運を自分の手元に引きつける工夫をするのです。その潮目をちゃんと見た上で、がっつりと勝つ。怒涛のトップを目指すのです。

例えば、二輪レースの業界で言えば、ロッシはこの理想雀士的な速さではないでしょうか?一発一発の速さで勝負ではなく、流れをみてトータルで速く、上手にレースをまとめる。

ある意味、麻雀というのは、世界でもっとも普及しているゲームであると同時に、人間社会の縮図と言えるかもです。

個人個人が、それぞれが置かれた環境に応じたスキルを身につけるはずですが、どうしても他のプレイヤーや運などに左右されて、せっかくの実力を発揮できなかったり、逆に実力以上の運気に助けられることもあるはずです。
でも、運がいい、運が悪いといったことを口にしたり、嘆いたりするのではなく、その運の流れをうまくコントロールして勝ち抜こうと考えることって大事だと思うんです。理想雀士ドトッパーは、単に麻雀という狭い世界の話をしているのではなく、実際には人生そのものにおけるしたたかで前向きな生き方を勧める、指南書であるように思うのです。

『理想雀士ドトッパー』。片山先生の漫画としては短命でしたが、実にたくさんの教訓やヒントをくれる人生の指南書です。ぜひお読みください。

あ、基本コメディだからクスクス笑いながら読める楽しい本ですよ〜!

さあ、人生のドトッパーを目指しましょ!