世の中には様々なエンジンレイアウトがありますが、V型4気筒のエンジンはMotoGPマシンや公道用スーパースポーツなどで採用例が多いですね。ここに紹介する動画に登場するのは、かつてチェコで作られたV4搭載車のレプリカ・・・なのですが、これもV4なんすか? とツッコミたくなるような、ユニークなエンジンレイアウトをこのマシンは採用しているのです。

正しくは、「セミラジアル・インラインV4」

今日一般的にV4と呼ばれるエンジンは、1本、または2本のクランクシャフトで、並列2気筒シリンダーを前後にVのかたちを描くように配置したもの・・・です(V4教・原理主義派的? には、クランクシャフト1本じゃないとV4じゃない!! となりますけど)。こちらに紹介する1909年型!! の「トルペード」は、1本のクランクシャフトと一列に配置された4本のシリンダーの組み合わせになります。

非常にユニークな、1909年型トルペードのエンジン。「ダブル2シリンダー」という呼び方らしく、前2気筒と後ろ2気筒の点火系(マグネトー)は別々となっていることがこの写真からわかります。

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トルペードのエンジンレイアウトは、セミラジアル・インラインV4というレアなもので、レシプロ飛行機に搭載例の多い星型エンジンから、半周以上分シリンダーを外したようなカンジ・・・のレイアウトになります。

詳しい資料がないので不明点だらけですが、動画を見る限り吸気・排気系はインレット・オーバー・エキゾースト方式のようで、駆動方式は第一次世界大戦前の2輪車ではおなじみ? の、革ベルトのダイレクトドライブ方式を採用しています。

現車の残っていない車両を、現代によみがえらせる!

このトルペード・レプリカを製作したのは、パベル・マラニクさんです。氏は自動車業界向けのプレスツールを専門とするツールメーカーを生業としてますが、余暇を使って「失われた2輪車」を現代によみがえらせることを趣味にしています。

パベル・マラニクさん。動画のなかにもちらほら氏の姿は登場します。

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マラニクさんが最初に復元したのは、4気筒のローリン&クレメントCCCCでした。現存する当時の2枚の写真を元にした、CCCCの再現には約 2,500時間を要したそうです。わずか2枚の写真で、現車がないモデルを復元するなんて・・・すごいの一言です!

続いて手がけたのがこのトルペードですが、こちらも資料がほとんどない状況で復元されました。2009年から2年間かかったそうですが、これは余暇の趣味というレベルをはるかに超越してますね!

数少ない資料のひとつ。当時のトルペードの横からの姿。4気筒エンジンは1,640ccの排気量を持ち、120km/hという最高速をマークしたそうです。

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その走りとサウンドを動画でお楽しみください!

ちなみにトルペードの次は、1909年に英国ブルックランズで平均87.32mph(140.52792km/h)を記録したNLG-JAP Vツイン(2,714cc)をマラニクさんは復元しています! もうこの世に存在しない幻のモデルの走りと音を、現代に再現してくれるマラニクさんの趣味に、古典派2輪好きは感謝しないといけないですね。

現代によみがえった、幻のモーターサイクル・・・P.マラニクさん作トルペード・レプリカ!

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こちらの動画には、トルペード・レプリカの製作の様子、そして走行シーンなどが収録されています。珍しいレイアウトのエンジンが奏でるサウンドを、ぜひ動画を見てご鑑賞ください!

Historic vehicle Torpedo V4 1909

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