連載『ホンダ偏愛主義』。自他共に認めるホンダマニア・元Motor Magazine誌編集部員でフリーランスライターの河原良雄氏が、ホンダを愛するようになった理由を、自身の経験を元に紐解きます。第15回は、ホンダ党にとっての聖地、「ホンダコレクションホール」についてです。(デジタル編集:A Little Honda編集部)

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マニアの天国!ホンダコレクションホールって?

ホンダコレクションホールは、ツインリンクもてぎ内にあって、歴代のホンダ車が350台も揃ったミュージアムだ。私は仕事で、プライベートで10回ほど足を運んでいる。ここはホンダ車に囲まれる幸せを堪能できる天国である。

エントランスを入ると、爽やかな受付嬢と、かつてのF1、RA271とS500が出迎えてくれる。ホンダにとってのF1初勝利マシンと初の乗用車、共に1960年代の意気を感じる。

階段を上って2階の市販車ゾーンへ。左に行けば4輪、右に行けば2輪だ。このコラムとしては迷わず左へ。ここがイチバン身近にホンダ車を楽しめるゾーンだから。

順路で最初に待ち構えるのが左手のホンダ初の4輪、T360だ。63年に登場した直4DOHCの30ps搭載のスポーツ軽トラックで100km/hを実現していた。次に右手にS600、S800と定番のエスシリーズが並ぶ。向かい側にはレアなDOHC搭載の商用バン、LN700がさり気なく置かれる。

その先にはTN360、バモス、Z、ライフ、ステップバンと360cc軽自動車が続く。個人的には思い入れが大きいクルマたちなので大好きな一角だ。その右手はN360と1300シリーズ。1300は宗一郎さんの空冷へのこだわりでDDACなる凝ったシステムを採用したモデル。そして突き当りが、初代シビックCVCC、ワゴンのシビックカントリー、初代アコード、アコードエアロデッキと、一世を風靡したモデルが並ぶ。時系列に沿っているから「あの時代は良かったな」とオジサンたちは感じ入ること間違いなしだ。

Uターンすると80年代以降のモデルが並ぶ。右手には、初代シティがモトコンポと、私が所有していたのと同じグリーンのシティカブリオレ、バラードスポーツCR-X、初代トゥデイ、ビート、デルソル、初代インサイトと、今でも欲しいモデルたちにワクワクさせられる。左手は2代のプレリュード、初代レジェンド、初代インスパイア、NSX、初代インテグラタイプR、シビックタイプRと、走りのモデルが並ぶ。ホンダらしさに溢れたモデルのオンパレードに思わず興奮するのはホンダ党だからかもしれない。

こうして60~90年代の個性的なホンダ車を見終わると、目の前には汎用モデルが置かれている。中でも66年のホンダ初のディーゼル耕うん機F90、80年の小型耕うん機F200こまめ、85年の4WDで4輪操舵のトラクター、マイティ11には思わず見入ってしまう。そして3階に上ればレーシングマシンたちがずらりと並ぶ。F1をはじめとしたフォーミュラやJTCCといったツーリングカーに興味ある向きには欠かせないゾーンである。

企画展も見逃せない。5年前の「16戦15勝の追憶」ではマクラーレンホンダMP4の4~7がエンジンと共に展示された。20周年を迎えた今は「栄光のチェッカーフラッグ」のテーマでホンダのみならずトヨタ、マツダ、日産のル・マン挑戦マシンを展示。すべて壇上ではなく、手が届くところに置かれているだけに臨場感が味わえるところが嬉しい。

ちなみに2018年9月13日(木)~12月10日(月)は、「ホンダコレクションホール開館20周年記念リクエスト展示」や「ホンダ初の海外参戦マシンと海外レーサー」など、新たなイベントが開催予定されているのでこちらもチェックしていただきたい。

そう、帰る前に1階のミュージアムショップで自分へのお土産も忘れずに。

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