年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき映画を紹介。今回の100分の1の映画はジェニファー・ローレンス主演、共演ハビエル・バルデム、エド・ハリス
ミシェル・ファイファーの『マザー!』。キリスト教的史観がなければ、全く意味不明と思われるサスペンスホラーだ・・・。
ミシェル・ファイファーの『マザー!』。キリスト教的史観がなければ、全く意味不明と思われるサスペンスホラーだ・・・。
ストーリー
郊外の一軒家に、若く美しい妻と共に住む1人の詩人。妻は日々家の修繕に勤しみ、夫は執筆に取り組んでいた。ある夜、2人の家に初老の男が訪れ、妻の不安をよそに夫は彼を家に入れてしまう。その日から彼らの家には次から次へと不審な訪問者が現れ、目を疑うような惨劇が起こり始める・・。
キリスト教を理解しない者にはちんぷんかんぶんの世界
日本では公開されなかったのも無理はない・・・。キリスト教を深く解さない日本人にはとてもわかりづらいのが本作だ。カインとアベルを思わせる描写も出てくるが、それとわかる人は相当に少ないことだろう。
ホラーというよりは、永遠に続く苦しみというか、トライアルを独自の解釈で描いた作品であり、非常に宗教的な映画だ。
家と、家を修復し続けるジェニファー・ローレンスは母なる大地、ハビエル・バルデム演じる夫は神、2人の子供はイエス・キリスト、バルデムが執筆する詩本こそ聖書、ということになるのだろうが、非キリスト教徒にとっては救いようのない悪夢のように見えるかもしれない。