ホンダの新型軽バン『N-VAN(エヌバン)』は、はたらくクルマなのに遊び心にもとことんこだわった、新スタイル&ユニーク機能を採用。人気のN-BOXとはひと味違った「モテ車オーラ」の秘密に、迫ってみました。

働き者だけど遊び上手なふたつの個性派。「+STYLE」が洒落てます。

働くクルマなのに、さまざまなカスタムパーツが豊富に揃っています。ボディサイズはもちろん軽規格。全長3395mm×全幅1475mmは全車共通。+STYLE COOL(写真左)のみロールーフ仕様なので、全高が1850(FF)〜1865(4WD)mm。他は1945(FF)〜1960(4WD)mmとなります。最小回転半径は4.6〜4.7mなので、取り回しもラクラク。

2018年7月12日、『N-VAN』が正式デビュー。「軽バン」という一般的にはあまり馴染みのないジャンルですが、要はビジネスユースを中心に開発されたクルマと考えてもらえばOK。超ヒット軽乗用車『N-BOX』をベースに、荷物をたくさん積むための創意工夫が徹底されています。

「優れたスペースユーティリティ」は、実は遊びのシーンでもそうとう役に立つ才能。普段は仕事の道具を満載してお仕事に飛びまわり、休日は遊びに使うアイテムを積み込んでスポットに繰り出す。オン・オフ問わず役に立ってくれる、とても便利な1台なのです。

そんなN-VANのマルチプレーヤーぶりを、ホンダは2種類の仕様でわかりやすくアピールしてきました。名付けて「+STYLE(プラススタイル)」。軽バンが持つ高い機能性を生かして、ライフスタイルまで広げてくれる可能性を秘めた、ホンダらしい新提案と言えそうです。

N-BOXは抑揚のはっきりしたサイドパネルだけれど、N-VANはフラットな面に3本のビードをあしらって、より「ツール感」をアピールしています。

インテリアは、乗用車感覚にこだわった、ちょっと贅沢なしつらえ。全グレードに共通する、ボディサイドの3本のビードデザインは、ジュラルミン製のスーツケースをモチーフにしているのだとか。これもまた機能美を強く感じさせてくれる、デザインの「妙」なのです。

ハイルーフなルックスでキュートな顔だち「+STYLE FUN」

新色の「ガーデングリーンメタリック」は、落ち着いているのに目立ちそうな不思議な魅力。
●「+STYLE FUN」価格帯:1,560,600円〜1,799,280円

N-BOXと並べて見たら、もしかすると兄弟車とは思えないかも。約150mmも高いルーフが、独特の遊び心を感じさせます。仕事で人目に触れる機会が多い軽バンなので、フロントマスクは親しみやすさにこだわってデザインされているのだそうです。

ハイ/ローのLEDヘッドライトと、それを半円に囲むポジションランプを組み合わせて、つぶらな瞳をアレンジしています。キュート!

イカつい顔と使えるお道具感を大胆ミックス「+STYLE COOL」

N-BOXには設定のない「シャイニンググレーメタリック」は、独特の硬質感が魅力。
●「+STYLE COOL」価格帯:1,560,600円〜1,799,280円

「+STYLE COOL(プラス スタイルクール)」は、適度にアグレッシブで悪っぽいアピアランスが、軽バンとしては逆にとても新鮮。メッキグリルやクリアタイプのリアコンビネーションランプなどは、カスタム系アレンジの王道を行っています。

ひと目でN-VANの魅力が伝わる「早わかり一覧」。

ご覧のとおり、働くクルマとしての高性能を磨き抜いたN-VANは「普通軽貨物自動車」というカテゴリーに当たります。そのため、ナンバーは軽乗用車の5ナンバーとは違い、4ナンバーになります。初回車検の有効期間こそ2年間なのですが、2回目以降は普通に2年ごと。実は自動車税の負担が軽減されるメリットもあります。

「+STYLE FUN Honda SENSING」のインテリア。デザイン的にも遊び心がたっぷり感じられます。一見オーディオレスに見えますが、「+STYLE」系はオーディオ本体が助手席側のトーボード内側に装備されています。ここにiPodなどの音源を接続すれば、音楽を楽しむことは可能。大型トレーになっているセンター部には、オプションで8インチ大画面のインターナビ(VXM-18VFEi)などを装着することができます。

助手席側はBピラーレス。なので、大きな荷物の出し入れがとても楽々。後席はもちろん、助手席まですっぽり床下の収まってしまう機構も、広さだけでなく積み下ろしのしやすさにメリットがありそうです。

ひとつ注目したいのが、JC08モード燃費でターボモデルが非常に優れていること。NA(FF・CVT)の23.6km/Lに対して、同じFF・CVTで23.8km/Lとは、ちょっと驚きです。

搭載されるエンジンは、N-BOXシリーズで使いやすさに定評がある660ccのNAエンジン(53ps/64Nm)と、爽快な走りが楽しめるターボエンジン(64ps/104Nm)を設定。街乗りでキビキビ走るために、低速からよりトルクフルな味付けに変更されています。

ちなみにトランスミッションはCVTのほか、NAエンジンでは軽バン史上もしかして初!?の6速マニュアルトランスミッションまで選べます。妙なところが、マニアックなのは、さすがホンダ?

【N-VAN「+STYLE」系に搭載されるHonda SENSINGの機能一覧】
①衝突軽減ブレーキ<CMBS>②誤発進抑制機能(6MT車には装備されません)③歩行者事故低減ステアリング④先行者発進お知らせ機能⑤標識認識機能⑥路外逸脱抑制機能⑦ACC<アダプティブ・クルーズコントロール>⑦ACC<アダプティブ・クルーズ・コントロール>⑧LKAS<車線維持支援システム>⑨後方誤発進抑制機能⑩オートハイビーム

ご参考までに……いろいろN-VAN「使い方グラフィティ」

ここからは、N-VANの優れたユーティリティの「優れた」有効活用について、実例をもとに学んでみましょう。「積む」ための便利なオプションアイテムを少しずつ揃えていくのも、なんだか楽しそうです。

◎「宅配運輸仕様」

ルーフコンソールなど、書類を入れておく小物スペースもアクセサリーとして用意。

◎「建築設備仕様」

ラゲッジアシストポールで、嵩張る資材を安定して積載させることができます。シートアンダートレーも便利。

◎「修理サービス仕様」

テールゲートバー、ルーフインナーサイドパイプなど、いろいろなところに引っ掛けるアクセを駆使。

◎「農業水産仕様」

荷室の防水性を高めるために、セパレートカーテンやラゲッジトレイをつけてあります。

◎「クリーニング仕様」

荷室のルーフ部にハンガーパイプを装備。たくさんの洋服を一度にきれいに運べる便利グッズです。

◎遊びモード:「車中泊」

マルチボードを使った簡易ベッドやテールゲートメッシュなどで快適に。外部電源入力キットも用意されます。

◎遊びモード:「フィッシング仕様」

パイプ、ラック系を駆使すれば、フィッシング仕様に早変わり。大物もちゃんと持って帰れそう。

◎遊びモード:「自転車仕様」

27インチのロードバイクもしっかり搭載。ジョイントベルトなどの固定器具も豊富に用意されています。

N-VANの兄弟車、N-BOXについての記事も覗いてみてくださいね!