年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ見るべき映画を紹介。
今回は、すぐキレる面々がとにかくバンバン撃ちまくるド派手な銃撃戦、『フリー・ファイヤー』
今回は、すぐキレる面々がとにかくバンバン撃ちまくるド派手な銃撃戦、『フリー・ファイヤー』
製作総指揮は巨匠マーティン・スコセッシのノンストップガンファイト
銃取引のため、とある倉庫に集まった二組のギャングが、些細ないざこざから互いに銃をぶっ放し合う。殺しあうという明確な意志もなく、正気をなくしてとにかく撃ちまくるだけ、というこれ以上ないB級ガンアクション。
互いに金と銃を交換したいだけだったことを思い起こし、事態を収拾しよう考える冷静さを取り戻す者もいるのだが、謎の狙撃手も登場し、結局相手への不信が高まり銃撃は激しさを増す。
単純な取引を行う二組のギャングと、横槍を入れようとする謎のグループ。本来であればわかりやすい構成による抗争劇だったはずが、思ってもみなかったトラブルが銃撃戦へと発展したことで、誰にもコントロールできないカオス状態は深まっていく・・・。
まるでヘミングウェイの暴力的な短編ハードボイルドを読んでいるかのような、乾ききって殺伐としたわずかな時間を切り取った潔い一本。
ビール片手に夏の夜に鑑賞すべき作品
銃取引の仲立ちをするのは女ギャングと傭われギャング、それぞれ『キングコング:髑髏島の巨神』のヒロイン、ブリー・ラーソンと、『ソーシャル・ネットワーク』で鮮烈デビューをしたアーミー・ハマーが演じている。また、銃を買いに来たアイルランド系ギャングのリーダーを演じるのは『ダークナイト』シリーズなどでの怪演が光るキリアン・マーフィー。
かなりの演技上手を集めたこの作品、内容自体はB級映画のそれだが、実際にはコンパクトながら十二分に練られたプロットをもって製作されている。
正直観終わった後になにか特別な感想を胸に抱けるような作品ではないが、ビールを飲みながら週末に鑑賞するにはなかなかに楽しい一本だ。
気楽に気楽に観て欲しい。