年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ見るべき映画を紹介。
ニコラス・ケイジが刑事役を演じるが、法で裁けない悪を前に、死の制裁を下すことを決意するという、ど定番の一作。ただしニコラス・ケイジは死なないよw
ニコラス・ケイジが刑事役を演じるが、法で裁けない悪を前に、死の制裁を下すことを決意するという、ど定番の一作。ただしニコラス・ケイジは死なないよw
あらすじ
湾岸戦争で軍功を立てたのち退役して刑事となったジョン(ニコラス・ケイジ)。長年の相棒が殉職したことで気落ちしていたところを、バーで知り合ったシングルマザーのティーナの明るさに慰められる。
ところがそのティーナがチンピラたちによって娘の前で集団レイプされ、大怪我を負う。娘の証言によって犯人たちは逮捕されるが、彼らは辣腕弁護士を雇い無罪を勝ち取ってしまう。
報復に怯える母娘・・・法で裁けない悪を前に、ジョンはある決意をする。
無罪を勝ち取ろうとするレイプ犯に私刑を下す、闇の処刑人となるニコラス・ケイジ(刑事)
ニコラス・ケイジは、理不尽な暴力を振るう巨悪に対して怒りを燃やし、勝ち目のない戦いに身を投じる、という役が多いが、本作では敵は本来なら相手にするまでもないチンピラ。主人公のジョンは、そのチンピラたちを抹殺していく処刑人となるのだが、刑事が法を無視した私刑を行う理由が本作では若干希薄である。
レイプされる若い母親ティーナとは一度しか会ったことがないし、それほど深い心の交流が生まれた節もない。ティーナの娘の健気さは心を動かせられるに足るものがあるが、それでも自分自身に直接関係のない悪事に対して死をもって報いらせようと思うには弱い。
本作では、ジョンの背景があまり細かく描かれていないのだが、どうやら妻に先立たれ、相棒も失い、さらにいえば湾岸戦争で何かがあって、彼自身の精神がどこか壊れてしまっていることは伺える。ティーナの事件をきっかけに彼は私刑を下す処刑人になるのだが、実は過去にも同じようなことをやっているのではないか?という気がする。つまり、今回の事件も、処刑人としてのジョンのいくつかの仕事の中の一つなのではないか、と。
全体的に殺伐とした話、展開なのだが、上述したように、娘レジーの愛らしく健気な演技が清涼剤のような役目を果たしていて、癒される。