「クラス1」の概要と交流戦
DTMノリスリンク戦が行われた6月23日に、DTMを統括するITRとスーパーGTを統括するGTAの代表たちによる共同記者会見が行われました。
数年前からレギュレーションやパーツ、シャシーなどを統一する動きがありましたが、ついに今回スーパーGTとDTMのクラス1(技術規則)の作成が完了、それに伴い交流戦の実現が可能になったことが発表されました。
もともとスーパーGTとDTMはレギュレーション統一に関してこれまで議論しており、モノコックや空力パーツはすでに共通の物を使用しています。具体的には、これまでDTMではエンジンがV型8気筒4リッターNAでしたが、スーパーGTと同じ2リッター4気筒ターボに合わせられます。そしてパーツや部品などほぼ共通のものになります。
これによって自動車メーカーは開発に時間とコストを奪われなくなる為コストが削減されます。「低コスト」「高い安全性」を見事実現したことになりますね。
レースはヨーロッパのレース場と日本のレース場で一戦ずつ行われます。レース形式に関してはDTM側のフォーマットを採用し、一回のピットインとタイヤ交換が義務となります。給油とドライバー交代はありません。週末に2レース行うのもDTM方式ですね。
スーパーGTでは様々なタイヤメーカーが参戦し、タイヤウォーズと化していますが、交流戦に関してはワンメイクだそうで、ヨーロッパではDTMがタイヤメーカーを指定し、日本で行われるレースではスーパーGTがタイヤメーカーを決めるそうです。
まだチームの移動やチャンピオンシップの流れ、レースを行うサーキットなど決まっていないことはありますが、2019年に交流戦を行うことは間違いないようです。日本とドイツの最高峰カテゴリーの対決とは非常に興味深い!日本のトップドライバーたちが世界トップレベルとも言えるDTMドライバー達に対してどのような活躍を見せてくれるのかが今から楽しみです!
ノリスリンクで行われたDTM第7戦の結果は!?
ノリスリンクは全長2.3kmで1周1分もかからないショートコースですが、狭く短いコースだからこそ混戦で、接触やアクシデント、オーバーテイクが多くみられる面白いトラックです。
ポールポジションはエルアルド・モルタラ(Mercedes-AMG DTM Team HWA)、ルーキーのフィリップ・エンゲ(BMW Team RBM)をなんと0.001秒差で抑えました。
レースはモルタラがトップでレースをリードする一方、2位のエンゲは予選3位のマルコ・ウィットマン(BMW Team RMG)にスタートで抜かれ3位に後退。順位を落としたエンゲにダニエル・ジュンカデラ(Mercedes-AMG DTM Team HWA)、ニコ・ミューラー(Audi Sport Team Abt Sportsline)、ロイック・デュバル(Audi Sport Team Phoenix)が1周目にピットイン!他車と戦略を分けてきました。
2位に上がったウィットマンは7周目にピットイン、先にピットインしたエンゲの前で戻ります。先頭のモルタラは9周目にピットイン、ウィットマン、エンゲの前で戻り実質的にトップに浮上。
12周目にピットに入ったのはチャンピオンシップリーダーのゲイリー・パフェ(Mercedes-AMG DTM Team HWA)、モルタラの前に出ることに成功しますが、モルタラとウィットマンがパフェをパス!
しかし今年絶好調のベテランパフェは43周目にウィットマンをオーバーテイク!実質的に2位に浮上しました。
ファイナルラップにこれまでピットに入っていなかったロビン・フラインス(Audi Sport Team Abt Sportsline)がピットに入り、モルタラが首位に。そのままトップチェッカーを受け、DTM通算100戦目を自ら優勝で飾りました!2位にパフェ、3位ウィットマンというトップ3になりました。
チャンピオン争いをしているティモ・グロック(BMW Team RMG)が10位になったことで、パフェにとって2位は大きなポイントとなりました。
第8戦はメルセデス勢優勢の中BMWウィットマンが優勝!
予選では初ポールポジションを獲得したジュンカデラを筆頭にトップ5をメルセデス勢が占めました。
スタートは予選3番手のルーカス・アウアー(Mercedes-AMG DTM Team HWA)がスタートを決めジュンカデラに迫るもなんとか死守。モルタラ、ジョエル・エリクソン(BMW Team RBM)、ミューラー、マイク・ロッケンフェラー(Audi Sport Team Phoenix)、ジェイミー・グリーン(Audi Sport Team Rosberg)が1周目にピットイン、昨日同様1周目にタイヤ交換を済ませます。
ウィットマンは11周目にピットインするも先にピットを済ませたモルタラに攻略されてしまいます。しかしウィットマンはモルタラ、その前のブルーノ・スペングラー(BMW Team RBM)も攻略!
さらには前にいた2位のアウアーもあっという間にパス、初優勝に向けて首位を突き進むジュンカデラと激しくやり合います。
そして24周目、ついにウィットマンがジュンカデラをオーバーテイク!そこから首位を守ったウィットマンが優勝!今シーズン2勝目を挙げ、ドライバーズランキング3位に浮上。
第7戦優勝、第8戦でも2位になったモルタラはランキング2位へ!ランキングトップは以前パフェで、ランキング2位だったグロックは4位に転落。しかしこれまで以上に接戦でチャンピオン争いが混沌としてきました!
今回は熱いDTMのレースに合わせて、違う国のカテゴリーと共にレースをするという素晴らしい発表がありました。このエンターテイメント、モータースポーツがどのような盛り上がりをみせるのか、来年が待ちきれません!