年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ見るべき映画を紹介。
今回は、なんども転生する不思議な犬の”想い”を描いた感動作『僕のワンダフル・ライフ』。
今回は、なんども転生する不思議な犬の”想い”を描いた感動作『僕のワンダフル・ライフ』。
転生を繰り返す犬が愛する飼い主との再会を目指す
生きる意味とはなんなのか?
生まれ変わるたびにそんな疑問に囚われ続けていた犬が、自分を誰よりも愛してくれる飼い主と出会った時、物語は始まった。
飼い主の少年イーサンは、犬にベイリーという名をつけた。イーサンはベイリーを愛し、ベイリーもイーサンを愛した。
しかし犬の寿命は人間より短く、愛する飼い主との別れを迎えてしまう。ところが、ベイリーはなんども生まれ変わり、しかも過去の記憶を持ったまま新たな”犬生”を送る。それなりに充実した一生を繰り返すなかで、ベイリーはイーサンへの想いを断ち切れず、彼を探す旅に出るのだが・・・
犬として生きる意味=A Dog's Purpose を原題に持つ、犬の目線から人間たちとの交流を感動的に描く作品。僕は犬(に限らずペット)を飼ったことがないが、その経験がある人なら涙無くして見られないだろう。
どうしても叶えたい夢を追って
ベイリーには夢がある。愛するイーサンへの再会はもちろんのことだが、転生を繰り返してかつてとは犬種も年齢も変化した自分がベイリー(の生まれ変わり)であると、イーサンに理解してもらうことだ。
かつての自分と同じような愛情を受けるのではなく、かつての自分に注がれていた愛情を再び受ける。同時に、ベイリーはイーサンが自分と同じく最上の幸福を感じてもらうために何かしたい、と考える。
本作は、主人公である犬ベイリーの一人語りを軸に話を進めていくが、一貫して人間(飼い主)への、そして飼い主との関係に対して、犬側からの限りない愛情と理解があり、それが本作を非常に優しく暖かいモードにしている。
犬を飼ったことがあるならば本作は涙無くして観られない、と書いたが、実際にはその経験がなくても涙腺が崩壊するであろう、本当に温かく優しい作品だ。