1990年代に入ると、空前のバイクブーム、ロードレースブーム、レーサーレプリカブームもやや沈静化。人気の中心はよりオートバイらしさを感じさせるネイキッドモデルへ、そしてよりステイタス性の高いオーバー750ccクラスへと移行し始める。
威風堂々を追求した「プロジェクトBIG-1」開始
1990年代、ホンダは次の世代を担うネイキッドスポーツはどうあるべきかをテーマにした「プロジェクトBIG-1」をスタートさせる。それには、レーサーレプリカブームの中でいつしか途絶えてしまった伝統の『CB』ブランド復活の意味も込められていた。
そして、同じ志を持って開発されたCB400SUPERFOURの発売を経て、1992年11月にCB1000SUPERFOURがリリースされる。燃料タンクの形状やハネ上げられたテールデザインからもわかるように、イメージリーダーは第二世代CBのフラッグシップであり、今もCBファンのステイタスシンボルとなっているCB1100R。そのデザインテイストを取り入れつつ、リッターマシンらしい風格を重視して大柄な車格が与えられる。
エンジンは、ホンダのリッター直4として初めて水冷化されたCBR1000Fのユニットがベース。ピークパワーを93psまで削り、点火系や吸排気フローを最適化することで、低中回転域で扱いやすく、6,000回転を超えるとモリモリとトルクが盛り上がるパワー特性を実現。鋼管製ダブルクレードルフレームにφ43㎜正立フォーク、リア2本ショック、前後18インチホイールのコンベンショナルなシャシー構成も、ビッグバイクらしい手応えを残しつつニュートラルなハンドリングを実現していた。
後継モデルのCB1300SFからいくぶんコンパクトで扱いやすくなったが、BIG-1コンセプトはしっかりと継承されている。