前にも触れたが1975年秋の免許制度改正によって大型自動二輪免許が登場し、簡単にはオーバー400ccクラスには乗れなくなり、一般的には中型と呼ばれる400cc未満が人気の中心となった時代。

国内は中型バイクがメインとなった時代。CBXが登場する。

中型クラスでは、4気筒ブームが巻き起こる。CB350FOUR/CB400FOURでこのクラスの4気筒化に先鞭をつけたホンダだったが、新しい4気筒モデルCBX400Fの発売はライバルより少し遅れて81年12月となった。ライバルを凌駕する大ヒットモデルとなるが、その発売までの場つなぎ的に投入されたタイトルバックのスーパーホークⅢも、派手なカラーリングと豪華な足まわり、クラス初のトリプルディスクで注目を集める。

また、軽量スリムな車体にオフロードモデルXL250Sの単気筒エンジン(4バルブで排気ポートが2つあるのでエキパイは2本)を組み合わせた、CB250RSも人気を呼んだ。

そして、78年に発売された『究極のCB』という意味を込めて「X」を付けた並列6気筒のCBX。ヨーロッパの耐久レース用に開発されたロードゴーイングレーサーCB1100R。そのCB1100Rベースのエンジンを「エフ」系のボディに組み合わせたCB1100Fも、80年代前半の「CBブランド」を象徴するモデルだ。

80年代に入って巻き起こった空前のバイクブーム、ロードレースブーム、レーサーレプリカブームの中で、CB750Fも大型カウリングを標準装備したインテグラを最後に、83年に第三世代となるCBX750Fにフルモデルチェンジ。これ以降、主力モデルから「CB」ブランドが姿を消し、次に登場するのは89年の400ccネイキッド、CB-1になる。

CBX400F(1981) ヨンフォアの生産中止以来4年半ぶりとなるホンダの4気筒400㏄モデルは、スポーツ性を前面に押し出して登場。インボードディスクやプロリンクサス、オイルクーラーといった新機構も搭載し、80年代のバイクブームの火付け役となった。

CB250RS(1980) ベストセラーオフローダーXL250SのOHC単気筒エンジンを、軽量スリムな車体に組み合わせたライトウェイトスポーツ。軽さと手頃なパワーの組み合わせで、市街地やタイトなワインディングでは400㏄を追い回すほどの走りを見せた。

CBX(1978) 頂点を意味する『X』のネーミングを与えられた究極のCBとして登場。往年の世界GPレーサーRC166のノウハウを受け継いだDOHC24バルブ並列6気筒エンジンは、28φ6連CVキャブを装備し、量産市販車初の100PSオーバーを達成した。

CB1100R(1981) 欧州や豪州のプロダクションレース用に限定生産。エンジンはCB900Fをベースに1062㏄まで拡大し、内部構成パーツを一新。ワークスレーサーRS1000の足まわりやアルミタンク、FRP製カウルなどを備え、CBファン垂涎のマシンとなった。

CB750F INTEGRA(1982) 前後18インチホイールやリザーバータンク付きリアショックなどを装備した最終型CB750F[FC]をベースに、当時運輸省から認可が下りたばかりのフルカウルを標準装備したモデル。カウル内には時計と電圧計が内蔵されていた。

CB1100F(1983) CB1100Rのエンジンを一般ユース向けにモディファイし、角型スイングアームなどを装備したCB900Fベースの車体に組み合わせたCB-Fシリーズの最終型。翌年からホンダの主力スポーツがV4エンジンに移行したため、わずか1年の生産となった。

CB-1(1989) 低中速向けのモディファイを加えた88年型CBR400RRベースのカムギアトレーンエンジンを、鋼管製ダイヤモンドフレームに搭載したネイキッドモデル。優れた性能を備えていたが、前衛的なデザインのためか短命に終わった。

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