長年勤めてきたテレビ局を辞め、自由な生活を求めてほぼ廃墟化したカフェを借りて住み着いた松ちゃん。そんな彼を慕ってリナは、松ちゃんのドヤに入り浸るものの、間違った相手に恋したかと思いはじめて・・・。
Mr.Bike BGで大好評連載中の東本昌平先生作『雨はこれから』第31話「ヤッホーと願望」より
©東本昌平先生・モーターマガジン社 / デジタル編集 by 楠雅彦@ロレンス編集部

恋する相手を間違えたのかな。悩むリナ

私、リナ。この2日、妹の部屋に来ている。
なんだか私、しくじったかなァ、と思いはじめてるんだ。なんの話かって?

女が思い悩んでたら、たいていは恋の話じゃない?察してよ。
私ももうアラサーだし、偏屈なオヤジに構ってる場合じゃない。誰の話かって?
松ちゃんよ、松ちゃん。

そんな男のどこがいいの!?、って妹は言う。「告ったって相手にその気がないんでしょう?だいいちオヤジというより、ジジイじゃないの!」

そうなんだけどさ、と私は呟く。

うじうじしてる私に「そんなおねェちゃん見たくないヨ、私が言ってやろうか?」と妹が若干呆れ顔で言う。

やめてヨ、と私は妹を制した。
正直私自身、ホントはどうなのかわからなくなってるんだからァ。
そもそも、あの人、最近サーフショップのクミちゃんに入れ込んでるみたいだしさ。

揺れる女心を知らず。松ちゃんはクミちゃんのもとへ

レナが思い悩んでいることなどつゆ知らず、当の松ちゃんはクミちゃんのサーフショップに来ていた。建物の前に停められたニンジャ(GPZ900R)を見て、先客がいるのを知る。リョウだ。

リョウとは、西山涼、53歳。クミちゃんの元夫だ。
昔は芸能プロダクションの社長だったが、いまは無職。仕事がなくて気弱になったのか、それともクミちゃんとヨリを戻すつもりなのか、いずれにしても松ちゃんにとって、いま会いたい相手ではなかった。

果たしてデッキに出てみると、リョウが手を上げて「ヨッ」と声をかけてきた。
クミちゃんはいい波を探して海に出ているらしい。

近くの椅子に座って荷物を下ろした松ちゃんに、リョウは「松ちゃんはクミねらってんのか」と訊いた。

どうかな、と松ちゃん。「おまえこそヨリを戻したいんじゃないの」

オヤジ二人の鞘当ては、どちらも「いまさら」というセリフをまとう。
だが、しかし。いくつになろうが、男は恋する女を取り合うもんさ。動く気持ちは若い時とかわらないってことだよ。

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さて。あなたが松ちゃんなら、この恋、どうする?

若いレナに応える?恋敵を打ち破ってクミちゃんゲット?