先日、アメリカ人のランディ・マモラがタイトルゼロとしては初のMotoGPのレジェンドになったことをお伝えしました。そんなマモラの次にレジェンドに選ばれることになったのは、1970年代から1980年代にかけてGPで活躍した、南アフリカの英雄コーク・バリントンでした。

ダブルタイトルを2年連続で獲得!

1976年5月のネーションズ(イタリア)GPの350ccクラスでGPデビューをしたバリントンは、その年の最終戦のスペインGP350ccクラスで、ヤマハTZ350に乗り早くもGP初優勝を記録しています。

翌1977年は、ヤマハTZ250/350で250ccクラスで1勝、350ccクラスで2勝をマーク。1978年からはその才能が認められてカワサキファクトリーチームに加入。見事期待に応え、初タイトルを250/350ccのダブルタイトルで獲得しました!

1980年、フロントローに並ぶカワサキのファクトリーロードレーサー、KR250。2番はグレッグ・ハンスフォード。1番はK.バリントン。その奥は、ジャン-フランソワ・バルデです。

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1979年もバリントンは250/350ccクラスのダブルタイトルを防衛。1980年は250ccクラスと新たに500ccクラスへ参戦。しかし250ccクラスは同じカワサキのアントン・マンクに破れランキング2位に終わり、500ccクラスは熟成不足のKR500のパフォーマンス不足によりランキング12位にとどまりました・・・。

"コーク"のニックネームの由来

1981年と1982年は、カワサキ初の最高峰タイトル獲得を狙い500ccクラスに専念します。アルミ・モノコックの車体にロータリーディスクバルブ式2ストローク・スクエア4を搭載する意欲作のKR500とともにバリントンは奮闘しますが、1981年のダッチTTとフィンランドGPで3位表彰台を獲得したのがベストリザルトでした・・・。そしてカワサキがGP活動を休止することが決まり、バリントンもKRとともにGPの舞台から去ることになりました。

1982年、カワサキのKR500を走らせるK.バリントン。

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ちなみに彼の本名はヒュー・ネヴィル・バリントンであり、"コーク"というのは幼少期につけられたニックネームです。コークとはスカッとさわやか・・・な某清涼飲料ではなく"コルク"のことであり、幼少期にコルクのように体重が軽かったから・・・がその由来です。

なお、バリントン以外にカワサキのマシンでGP王者になったのは、デイブ・シモンズ(1969年125cc)とアントン・マンク(1980年250cc、1981年250/350cc、1982年350cc)しかおりません。カワサキでタイトル獲得したGPレジェンドとしては、バリントンはマンクに次ぐ2番目ということになりますが、残りはシモンズだけ・・・ということになります。

多くのカワサキファンはきっと、もっと多くのカワサキでタイトルを獲ったMotoGPレジェンドに誕生してほしいでしょう・・・。将来シモンズで打ち止めにならないよう、カワサキには早期のGPへの復帰を期待したいですね。ともあれ今は、バリントンのレジェンド選出を祝福しましょう!