合同テストで好パフォーマンスを披露!
病気を理由にJ.フォルガーは2018年を全休することになり、そのためテック3はシーズンオフにヨハン・ザルコのチームメイトとなる代役探しに追われることになりました。
2011年からMoto2を走っていた23歳のH.シャーリンが、タイでの合同テストでテック3に起用されることが報じられたとき、多くのMotoGPファンは「マーケティングの産物」という忌憚のないコメントを多くのSNSなどに投じました。
確かに、シャリーンのスポンサーにはセパン国際サーキットがついており、世界で最も伸張している東南アジアの2輪マーケットを考えると、東南アジア人のMotoGPライダーの誕生は、すべての2輪業界的にもプラスにつながる・・・と誰もが考えるでしょう。
ただ多くのMotoGPファンが考えるのが、「シャーリンはMotoGPにふさわしい実力の持ち主なのか?」についてでしょう。業界が望むからえこひいきされて起用される・・・というパターンは、大人の事情と納得しつつも素直に応援できない・・・という心情になっても仕方ないことですから。
しかし、2月16日と17日に行われたチャーン国際サーキットでのテストでは、初日に初コース&初のヤマハYZR-M1のライドにもかかわらず、1分33秒165と無難なデビューをこなしました。そして2日目にはシャーリンは23番手ではありましたが、初日から1.167秒もタイムを縮める健闘ぶりでした。
昨年度のザルコやフォルガーのような活躍ができるか? 期待しましょう!
テック3代表のエルベ・ポンシャラルもヤマハ側も、シャーリンの走りを好評価しました。そしてその結果、フォルガーの代役としてシャーリンが起用されることが正式に発表されました。
H・シャーリン選手談(総合22位)
「ここまでかなりのハードワークでしたし、MotoGPマシンの負荷に慣れるまでには時間も必要なので、最終日は午前中で走行を切り上げました。セッションごとに少しずつよくなってきたと思いますが、とくに最終セッションでは大幅な進化が感じられました。全体的にも非常に満足できる結果となり、マシンに好感触を得ることができ、今は、早くまたこのチームに戻って来られるよう願っています。いろいろな情報を提供してくれ、成長に手を貸してくださったチームの皆さんとヨハン、また私にチャンスをくれたエルベ、ヤマハ、モンスター、すべての人にお礼を言います。ありがとうございました」
2011年からのMoto2のキャリアで、シャーリンが獲得したのは3度の表彰台(2012年マレーシア3位、2017年サンマリノ2位と日本3位)で、優勝経験はゼロです。ランキングは2016年度の9位が唯一の一桁で、残りは年間10位以下に終わっています・・・。
これからも口さがない人はシャーリンの起用について不満を述べ続けるでしょうが、同じアジア人としてはそのような声を黙らせるような活躍を期待したいですね。3月1日のカタールテストを経て、今年のMotoGPはカタールの開幕戦からスタートします。楽しみに待ちましょう!
テック3は来年、ヤマハ以外の新たなパートナーと組むことに!
しかし・・・フランス現地時間22日に、テック3は衝撃的なアナウンスを行いました。その内容は、20年間にわたりパートナーシップを結んでいたヤマハとは今年限りで決別することを発表したのです!
ポンシャラルはヤマハの関係者への長年の協力に対する謝辞とともにこの衝撃の発表をしたのですが、未確定ながら来年度はスズキ、KTM、またはアプリリアと組んで、参戦することになるのではないか・・・とパドック雀たちの間では囁かれています。
今シーズン中のしかるべき時期には、テック3の新パートナーが発表されることになると思いますが、有力サテライトであるテック3の新パートナーのみならず、ヤマハが新たなサテライトチームとしてドコを選ぶのか・・・も気になります! 波乱含みではじまることになったMotoGPの動向から、今年は目を離せませんね!