カンパーニャ州 vs プーリア州
産地や製法を守り製品の品質を守るDOP(保護指定原産地)とIGP(保護指定地域)。偽物が出回ることを防ぎ、消費者へ確かな製品を届けるのを目的としています。数年前にオリーブオイルの偽造品がヨーロッパに出回り規制が強くなり、生産者側もこれに対する動きを強めています。
今回の争いの種は「トマト」。イタリア料理に幅広く使われるトマトはプーリア州での生産が174トン、カンパーニャ州では23トンと大部分がプーリア州で生産されていますが、この「トマト」をIGP登録しようと申請したのがカンパーニャ州ナポリ。
古くよりトマトの加工製品を扱ってきたナポリとしてはその製品を守りたいと思うのは至極まっとうですが、プーリア州によると”生産の主はプーリア州であり(前記の通りトマト自体の生産量はプーリア州のほうが多い)、カンパーニャ州では加工が主となっている”と主張。
発端はチーズか!?
この「トマト戦争」よりも以前に事の発端はあるかもしれません。プーリア州産のチーズにDOPが認められ、それに対してカンパーニャ州が抗議したことがあるからです。
皆さんご存知のモッツァレラチーズはカンパーニャ州では水牛の乳を使い、プーリア州では3分の1の値段で手に入る牛の乳を使います。このプーリア州産モッツァレラへのDOP認可でカンパーニャ州の水牛のモッツァレラチーズが競争力を失うとカンパーナ州が危惧したのが始まりなのではと元記事は推測しています。
ティラミスまでもが!
更にというかここでも争いが起こっているようです。これまた皆さん親しみのあるデザート「ティラミス」の産地を巡ってフリウリ州(最近ワインが美味しいです)とベネト州が争っているそうです。
どこが正式な生産地としてオリジナルを名乗れるのかはその後の売上にも大きく響くだけにこれからも問題が勃発しそうなDOP/IGP問題。消費者として確実に言えるのは「自分で食べて美味しいのが正解」ということになりそうですね。