純粋にスペックだけならば、CB1300シリーズよりもCBR1000RRのほうが機械としては高性能なのは間違いない。でも、ホンダのフラッグシップはやっぱり『CB1300』だ。その理由を垣間見る。

CB1300が"フラッグシップ”である理由

CB400スーパーフォアと同じタイミングで、CB1300スーパーフォアとスーパーボルドールも厳しい排ガス規制を乗り越えたうえで、さらに走りに磨きをかけて登場しました。

でも、CB1300っていうバイクの持つ意味は、400とはすこし違うものだとボクは考えています。

その理由は、400がすべてのライダーを走りの歓びに導く存在だとすれば、1300は、ホンダの走りを『象徴』するオートバイだと思うから。

110馬力に引き上げられた最高出力を持つ直列4気筒エンジンがCB1300を象徴する。レスポンスも鋭くなり、全域に渡って力強さがアップ。すべての回転域がトルクバンド状態!

もちろん大排気量とはいえ、誰もが安心して楽しめる扱いやすさは、ホンダ車なのだから当然のこと。

そのうえでCB1300シリーズは、小排気量車にはない最高の豪快さをもって、ライダーをエキサイティングな世界に連れていってくれるのだからスゴいと思います。

しかも、その桃源郷への入口が決して遠いものじゃなくて、信号待ちからのスタートダッシュひとつで、これぞ大排気量! これぞ4気筒! という快感に誰でも陶酔することができますからね。

2018年モデルのサウンドは快感すぎる!

スリムなマフラーは、アイドリングからノーマルとは思えないほどの重厚な4気筒サウンドを奏でます。それでいて高回転域では「咆哮」と呼ぶに相応しい、官能の世界が拡がっているんです。

しかも、新しくなったCB1300シリーズは、最高出力の向上に合わせて重厚としか言いようがない4気筒サウンドを手に入れていて、その満足感までもが非常に高いんです。

ちなみに今回乗ったハーフカウル装着のスーパーボルドールは、カウルがフレームにマウントされているからハンドリングがより軽快で、つづら折れのワインディングでも正確に狙ったラインをトレースできるのが特徴。

加えて、パワフルになったエンジンは鋭いレスポンスも手に入れており、スポーツ性にさらに磨きがかかっています!

どっしりとした安定感に包まれながら、スロットルオンで怒涛のトルクを解放する時の気持の昂りは、本当に大排気量4気筒エンジンを操る醍醐味に満ちています。

CB1300を「象徴」だと感じる瞬間

純粋に速さを求めるのがスーパスポーツCBR1000RRだとするなら、CB1300は大排気量スポーツというオートバイを駆る高揚感こそが真価。

オーセンティックな2本サス。リヤサスペンションも設定が変更されバンク中の接地感がより明確に感じられるようになっています。伸び側と圧側のダンピング、プリロードの調整が可能です。

しかもホンダは、長いCBの歴史の中で蓄積された技術によって、1300㏄もの大排気量エンジンが生み出すパワーを力強く、扱いやすく調律し、それを余裕で受け止められる盤石の車体を開発することに成功しています。

そうすることでホンダは、オートバイを『スポーツ』として愉しむことの本当の意味を、CB1300を通してライダーに伝えようとしているんじゃないかな、とボクは思っているんです。

すべての「ホンダらしさ」を感じられる

彼らは、持てる技術と情熱を総動員して「これこそがホンダのオートバイである」という象徴を生み出し、その中に願いを込めた。

だからこそ、こう言いたいんです。

CB1300スーパーフォア/スーパーボルドールっていうオートバイには"ホンダの走りのすべて”が凝縮されているんです、って!

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