ヨーロッパで古くから親しまれている英雄伝説の主人公・アーサー王の誕生と王国への帰還を描いたアクション大作。
主人公のアーサーを、ワイルドなハーレー乗りたちのバイブル的ドラマ『サンズ・オブ・アナーキー』のジャックス役で大ブレイクしたチャーリー・ハナムが演じ、さらにジュード・ロウが叔父であり父王の仇となる悪役を演じていることでも話題に。

キング・アーサー(アーサー王)と聖剣エクスカリバー、魔法使いマーリン、そして円卓。
馴染みある伝説のアイテムが続々と登場するアクションファンタジー

舞台は6世紀前後の古代ブリテン王国。国を治めるユーサー王は、魔物の力を借りて反乱を起こした弟のヴォーティガンの手にかかり死亡。その一子アーサーは辛くも難を逃れ、売春婦たちの手で育てられる。
ヴォーティガンは暗い野心のままに王となるが、ある日湖に沈んだはずのユーサーの遺剣エクスカリバーが姿を現す。しかも巷間では、これは真の王が降臨する予兆であり、岩に突き刺さったまま微動だにしないエクスカリバーを引き抜いた者がその王である、という噂が広まり始め、ヴォーディガンは動揺する・・・。

この噂に背中を押され、アーサーは聖剣エクスカリバーに手をかけ、一気に引き抜くが・・・・

円卓の騎士に代表される理想の騎士道、聖杯伝説、妻とランスロットの不義など、ヨーロッパ全土にさまざまな伝聞・伝説を持つ、英雄アーサー王の誕生秘話を、スタイリッシュでクールな映像で蘇らせた一作。

イケメン対決に注目。伝説の王を知るチャンス

冒頭でも書いたが『パシフィック・リム』や『サンズ・オブ・アナーキー』でもイケメンヒーロー(サンズ・オブ・アナーキーでは悩めるアンチヒーローと呼ぶべきだが)を演じたチャーリー・ハナムが主人公アーサーを演じている。
髪型や服装などを含め、極めて現代的なスタイルで統一されているため、物語の舞台が5-6世紀であることをつい忘れてしまいそうな感じだが、そのビジュアル効果もあって、歴史的な物語というより『スター・ウォーズ』のようなSF映画でもみているような気軽さを与える。

アーサーの父親を殺し、王権を簒奪した弟であり叔父であるヴォーティガンを演じるのは、これまたイケメン俳優のジュード・ロウ。珍しく完全なる悪役を演じているが、年を取ってもその美貌には翳りがない。二人の美男俳優の激突が、本作の見所、と言っても差し支えないだろう。

アーサー王は日本で言えば、ヤマトタケル(日本武尊)が近いだろうか。建国に関わり、若くしてその強靭な精神力と武技で頭角を示した伝説の人物であり、ともに聖剣を携えている。(アーサーはエクスカリバー、ヤマトタケルは草薙の剣)
アーサー王もヤマトタケルも現代の日本の若者にとってはあまり馴染がない英雄かもしれないが、こうした映画(たとえ相当に脚色して、本来の伝説と隔たりがあったとしても)を通じて、歴史的なヒーローに親しむようになることは、大変結構なことだと思う。

【予告編】『キング・アーサー』9.20デジタル先行配信/10.18 BD&DVDリリース

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