東洋で最も有名な公道レースであるマカオGP。今年でモーターサイクル部門は第51回目となる、伝統の一戦でした。今年は北アイルランドのグレン・アーウィンがドゥカティを優勝に導きましたが、しかし悲劇的な事故が発生したため、勝者の表情には笑顔はありませんでした・・・。
悲しみのポール・トゥ・ウィン
ランオフがなく、コースサイドはフェンスとガードレールが張り巡らせられたマカオGPの特設コースは、いうまでもなくデンジャラスな戦いの舞台です。予選では、G.アーウィンのドゥカティ・パニガーレRがポールポジションを獲得。2位は前年度の覇者、ピーター・ヒックマン(BMW)。3位はマカオ・マイスターの異名を持つ大ベテランのマイケル・ラッター(BMW)。4位はホンダCBR1000RRを駆るコナー・カミンズ。5位はマーチン・ジェソップ(BMW)と、いう順です。
そして迎えた決勝レース・・・すでに多くの報道でご存知の方も多いと思いますが、予選15位からスタートしたダニエル・ハガーティ(ホンダ)が大クラッシュして不幸にも事故死したため、レースは赤旗で終了しました。その直前の5周までの順位が正式結果となり、アーウィン、ヒックマン、ラッター、ジェソップ、そしてカミンズ・・・がトップ5というリザルトが残りました。
北アイルランド出身ライダーのマカオGP勝利は、マン島TT11勝のフィリップ・マッカーレンの1996年の勝利以来の出来事です。しかし、マカオ初優勝を喜ぶ気分ではないことを、アーウィンはレース後のインタビューで語っています。That's road racing, and it's tough.(これが公道レースであり、そしてそれはタフなものだ)とアーウィンはコメントの結びでそう言っていますが、来年度はこのような悲劇が起こらないことを祈りたいです・・・。