オートバイは愉しい。速くてスリリングで、目的地にただ向かう交通手段というだけではなくて、乗ること自体がエンターテインメントだ。
だけど、世の中にはバイクを忌み嫌う人だっている。好きな人にも嫌いな人にも理由はある。気が合わないと切り捨てるだけじゃあ、ダメなんじゃないのか??
オートバイ2017年11月号別冊付録(第83巻第17号)「The Praxis」(東本昌平先生作)より
©東本昌平先生・モーターマガジン社 / デジタル編集:楠雅彦@ロレンス編集部
だけど、世の中にはバイクを忌み嫌う人だっている。好きな人にも嫌いな人にも理由はある。気が合わないと切り捨てるだけじゃあ、ダメなんじゃないのか??
オートバイ2017年11月号別冊付録(第83巻第17号)「The Praxis」(東本昌平先生作)より
©東本昌平先生・モーターマガジン社 / デジタル編集:楠雅彦@ロレンス編集部
うるさくてやかましくて迷惑なバイク乗りたち・・・大っ嫌いっ。
あたしとお父さんは、お父さんの定年退職をきっかけに別荘を吉野峠に購入した。子供達もとっくに独立して、あたしとお父さんは二人暮らし。春から秋にかけては静かな山の暮らしを楽しもうという算段だった。
ところが、そんなあたしたちのささやかな願いを踏みにじる奴らがいる・・・。バイクだ。
あたしたちの別荘は、峠の曲がりくねった、カーブが続く上りの頂点にある。カーブをギリギリの角度で曲がりきって、短い直線を全開で走るバイクたちの轟音と衝撃が、あたしたちの部屋を直撃する。
せっかく優雅に朝の紅茶を楽しんでいても、一瞬で全てが台無しになるのだ・・・。
迫る対決の時・・・今日もオートバイがやってくる
あたしは決心した。お父さんとあたしの静かな暮らしを邪魔するオートバイたちを許さないって。
一度は道路に砂を蒔いておいたものの、万一転んで事故でもおこしちゃったら、それはそれで可哀想すぎる・・・・(てか、そんなことになったら目覚め悪い。あたしも反省したんだ)。
だからあたしはバイク乗りたちが諦めるまで、峠で待ち伏せして追い返すことにしたんだ。
バイクになんて負けるもんか。あたしはお父さんと静かな暮らしをしたいんだ。
負けるもんか、バイク乗りが諦めて来なくなるまで、あたしは戦いをやめない。
大好きなバイクが知らず知らずに誰かの迷惑になっていることってありえますよね。
峠は楽しい。朝練したい。でも安眠妨害は申し訳ないし。
あなたならどうする??