数年前に、ブログでエロティック・キャピタルなる「資産」を積み立てて、効率的に運用することのススメをしたことがある。資産運用というのがミソだ。

人間が持つ魅力、特に性的な魅力が持つ経済的価値=エロティック・キャピタル

エロティック・キャピタルという言葉自体は、『エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き(キャサリン・ハキム著。共同通信社)』という書籍が発祥と思われる。

エロティック・キャピタルとは、人間が持つ魅力、特に性的な魅力が、実は経済的価値を持っているという洞察である。その魅力を最大活用することで、社会的な名声や富を得ることができる。従ってそれはキャピタル(資産)である、というものだ。となれば、エロティック・キャピタルは運用できる、あるいは運用するべきものだということになる。

誤解を恐れずに言えば、エロティック・キャピタルはほぼ見た目に現れる

エロティック・キャピタルは、ニアリーイコール外見の良さ、でもある。

女性の美貌、メリハリの効いた体型、そして服装のセンスの良さなどは、換金性の高いキャピタルである。また男性でも、魅力的な声や所作などは実にわかりやすい。つまり、通常の資産に、(流動性の高い)現金があり、不動産や株券、秘蔵の美術品などがあるように、エロティック・キャピタルにも流動性が異なる資産が存在する。その中でも、主に見た目に現れる性的魅力はキャッシュに近い即効性を持つと言えるだろう。そのため、男性より女性のほうがより効率的に運用できることは、言うまでもない。

また、男性、特にビジネスパーソンであっても、例えば、同じアイデアを持ち込んだ同等の能力がある起業家が、失礼ながら温水洋一さんと福山雅治さんだったら、男の僕でさえ福山雅治に投資してしまうだろう。更に言えば、それが(40代の)福山さんではなく(20代の)坂口健太郎さんだったら、坂口さんを選ぶことになると思う。なぜなら、若さはエロティック・キャピタルの有効期限がより長いという証明であるからだ。
(若さはキャッシュと同じくらい分かりやすい価値を持つ。若さを失いつつあるなら、別のエロティック・キャピタルへの分散投資を考えねばならない・・・)

顔がカワイイ、スタイルがいい、背が高い、声に艶がある、などの外的なポイントは内なる才能に比べると高い評価をつけることがはばかる風潮がある。しかし、実は、少しくらいの頭の良し悪しよりも大きな”資産”として認めるべき、なのである。ミニスカートから伸びる長くて美しい脚には、Wikipediaで調べられる程度の知識ではとうてい太刀打ちできない価値があることを、認めるべきなのだ。

よりわかりやすいエロティック・キャピタル作りに投資すべき

一目みて分かる、というのは本当に大事な要素だ。何事でもシンプルに分かりやすく、ぱっとみて良さが分かるような仕掛けを常に考えていくことは、ライフハックとして非常に重要なのだ。

例えば、Appleの元エバンジェリストのガイ・カワサキが「良い製品はポルノと同じで、一目でその魅力が分かる」と書いていることは有名だ。
すらっとした美脚のように分かりやすい魅力をどうやって作るかを、対象が何であれ、常に考慮することが大事なのである。そのためには、会社や製品はもちろん、自分自身を磨いて、より分かりやすい魅力を少しでも身につける努力も必要なのだと考える。

日本人の女性は世界で最も魅力がある、という統計結果をよく見る。逆に日本人男性ははっきりいって最下位に近い体たらく。つまり日本人男性はエロティック・キャピタル上は最貧民族の一つなのだ。

ならば英語を身につけると同じくらいの熱意で、エロティック・キャピタルを蓄積し運用することを考えなければならないのではないか?
自分自身をプロダクトとして考えた場合、デザインは重要だ。カラダを鍛え、でっぱったお腹をなんとかしなければ・・・。肉体こそが我々自身の製品なのだから。

できることからはじめてみよう。まずは5キロ体重を落とすのもいいし、いままで避けてきた新しい色の服を身に着けてみることからはじめてもいい。エロティック・キャピタルの効率的な運用を心がけて、ライフスタイル自体を刷新し、新たな気分で仕事に当たる。それは決して小さな一歩ではなく、大きな前進につながると考えるのである。