戦後の混乱期にチャンスを掴み、急成長した出光興産と創業者の出光佐三をモデルにした小説の映画化。主人公 国岡鐡造と、彼が創業した国岡商店は、士魂商才(しこんしょうさい。侍の魂を持って商売人の才を発揮せよという意味)をモットーに、石油ビジネスに取り組んでいた。
柔軟な発想と海賊商法と呼ばれた強引な手腕でビジネスを拡大してきた国岡商店だったが、終戦後 石油ビジネスから締め出され、危地に追い込まれる。幹部たちは社員のリストラを迫るが、断固拒否する鐡造は、起死回生の手段を思いつくー。
柔軟な発想と海賊商法と呼ばれた強引な手腕でビジネスを拡大してきた国岡商店だったが、終戦後 石油ビジネスから締め出され、危地に追い込まれる。幹部たちは社員のリストラを迫るが、断固拒否する鐡造は、起死回生の手段を思いつくー。
もちろんフィクション、ではあるが・・・
(現在、昭和シェルとの合併問題で揺れる)出光興産をモデルとした作品。
この映画をみると、昭和シェルという石油メジャーとの合併を拒否する創業家の気分が理解できる。
創業者である出光佐三は、日本の石油元売各社が国際石油メジャーの軍門に降る中、出光興産を民族資本企業として生き残らせることに必死に取り組んできた。石油の供給元を断たれたことで日本は戦争に踏み切ることになった。その悪夢を繰り返したくないからこそ、出光佐三は民族資本にこだわった。
本作は士魂商才のモットーに準じて、社員の馘を一人として切ることなく、戦後の困窮期を乗り越え、セブンシスターズと呼ばれた石油メジャーと渡りあった実在の男をモデルにしてはいるが、もちろんフィクションである。
しかし、現実に出光興産が今日に到るまで純日本資本の会社として存続していることは事実であり、その心意気だけは間違いなく本物として受け止めるべきだろうと思う。
気合と気概を漲らせられる佳作
戦争に負けた。戦争を仕掛けたのは日本の方だ。だからどう蹂躙されても文句は言えない。
だが、誇りは捨てない。全部飲み込んで、受けて止めてやる。いっちょやってやろう。
そんな気合と気概を持った男たちの話。
二度と戦争を起こさないためにも、いや起こさせないためにこそ、観ておくべき作品。