世界にはさまざまなメーカーがありますが、チューニング車を含めたら一体どれくらいのバリエーションのクルマたちが存在しているのでしょうか・・・。今回は、モーターマガジン社発行の『世界の自動車図鑑』1985年版から、西ドイツの車両たちをご紹介。
(解説は原文ママ、価格が含まれる場合は書籍発行当時のレートとなっております。)

まずはイッキ見!

気になる車両はありましたか?それでは解説です!

01: GEMBALLA PORSCHE 935(ゲンバラ ポルシェ 935)

ノーマル911をターボ風にリア・オーバーフェンダーを改造しているが、このチューナーのセールスポイントは、オーバーフェンダーを元のノーマル状態に容易に戻せるよう工夫されていることだ。このゲンバラ式リアには285/40VRI5の巨大なタイヤが難なく収まってしまう。そして性能を求めるカスタマーのために400PSにチューンされたエンジンが用意されている。走りだけでなく、インテリアにもゲンバラは野心的で、インパネはデジタル表示に変え、ビデオもビルトインすることができる。

02: KOENIG FERRARI 512BBi TURBO(ケーニッヒ フェラーリ 512BBiターボ)

フェラーリのチューニングで有名なケーニッヒのなかでも最右翼なのがこの512BBiだ。ラジョイ・ターボチャージャーとツイン・インタークーラーによって、12気筒ボクサーに詰め込まれる高濃度の混合気は、ウォーターインジェクターの併用によって、さらに爆発力を高め、653PSのビッグパワーを発生する。マーレのピストンや7.2に下げられた圧縮比も燃料噴射とともにこのエンジンの特徴だ。精子から100km/hまで3.9秒、200km/hには10秒で達する。最高速度は330km/hでグループCカーのロードバージョンといってよい。

03: KEINATH MONZA-CABRIO KC5(カイナト モンザ・カブリオ KC5)

このチューナーはアスコナのコンバーチブルも製作しているが、パフォーマンス的にアスコナに不満がある向きは、こちらのKC5で落ち着くだろう。7000マルク(約61万円)で180PSの出力をもち、油圧/電気併用のパワー・ルーフを備えた豪華カブリオレが手に入るのだ。デラックスな装備はインテリアにおいては前後のレカロ・シートに代表される。

04: GEMBALLA MERCEDES 500SEL(ゲンバラ メルセデス 500SEL)

Sクラスのロング・ホイールボディは、車格から超豪華リムジンへ改造されるケースが多い。もちろんオーダーは中近東あたりの石油成金である。彼らにとっては、性能よりも重要なのか室内の装備であり、クロームをゴールドに変えたり、レカロの革張りシートを備えたり、いささか悪趣味の金ピカムードに人気があるという。マホガニーのピクニック・テーブルなども必須アイテムだ。パフォーマンスより室内改造がメインというタイプがこのシュワーベン地方のメーカーである。