調子は上向き？ 混戦に加わることを期待しましょう！
スペイン・マヨルカ出身のロレンソは予選8位、3列目からのスタートとなりました。ホームGPでのレース序盤にリズムを掴むと、6周目までに4番手にポジションをアップ。12周目には今季好調のヨハン・ザルコ（ヤマハ）をパスすると徐々に差を広げて3秒のアドバンテージを稼ぎ出し、危なげなく3位でチェッカーを受けました。
その表彰台では、優勝をしたかのような・・・いや、それ以上の喜びを爆発させたロレンソの姿が印象的でした。大きな期待と、話題となってのドゥカティ加入で、相当なプレッシャーを感じていたのでしょう。ドゥカティ・デスモセディチ向きではないという下馬評のコースで、表彰台を獲得した事実は大いにロレンソを勇気付けたに違いありません。以下は、レース後のコメントです。
「ここまでの3戦は複雑なレースが続いてしまったが、今日は地元のファンの前で表彰台に立つことができた。30歳の誕生日に最高のプレゼントとなった。今日の3位表彰台は、本当に大変な思いをして掴んだので、これまで何度も勝ち取ってきた優勝以上に嬉しい。ヘレスはデスモセディッチと相性が良いとは言えない。そんな場所で表彰台に上れたのだから、歓びもひとしおだ。正直に言うと、表彰台争いに絡めるとは思っていなかった。フロントタイヤの選択がカギだったと思う。スタートでは、目の前にかなりのライダーがいてちょっとしたカオス状態だった。だが、簡単に諦めるつもりもなかったからこそ、ザルコをオーバーテイクして3位になれたのだと思う。この数ヶ月はかなり厳しかったが、自分を信じる気持ちをずっと持ち続けてきた。チームも一貫して僕を信用してくれている。」
地元スペインのファンの祝福を受け、雄叫びをあげるロレンソ。
www.ducati.co.jpヘレスでは1-2フィニッシュのホンダファクトリー勢以外タイヤの選択に悩みましたが、見事ロレンソは表彰台を獲得しました。ドライコンディションでの3位は、価値のある成果と言えるでしょう。
www.ducati.co.jp僚友ドビツィオーゾも、ロレンソを祝福
1歳年上で、125cc、250cc、そしてMotoGPで常にロレンソのライバルだったアンドレア・ドビツィオーゾも、ロレンソの表彰台を素直に祝福しています。250ccクラスで2度のタイトルを獲得し、MotoGPクラスでは3度もタイトルを得たライバルが今年チームメイトになることは、ドビツィオーゾとしても心中穏やかではなかったと思います。
しかし今は共闘し、ランキングで先行するヤマハとホンダのファクトリーチームを追いかけることの大事さを、ドゥカティでのキャリアの長いドビツィオーゾは十分に認識しているのでしょう。ロレンソと切磋琢磨することで、ヤマハ、ホンダとの差を縮める・・・そんな責任感を、彼のレース後のコメントからは感じ取ることができました。
「スターティンググリッドが良くなかったので、タフなレースを強いられた。その割には良いリザルトだった。後方グリッドからスタートすると、混乱に巻き込まれる可能性が高くなる。だが、今回はどうにかポジションを上げて、落ち着いてライディングできたので、このリザルトがついて来たのだろう。週末を通じて良い仕事ができた。昨日は良いペースで走れることを示せたが、後列からのスタートだとやはり苦しい。今後はフリー走行や予選でもっとペースを上げなければならない。今週末のホルヘは乗れていた。彼にとってもドゥカティにとっても、素晴らしいリザルトを獲得してくれた。ホルヘを祝福したい！」
ヤマハのバレンティーノ・ロッシ、マーベリック・ビニャーレスを抑えるA.ドビツィオーゾ。18周目に5番手を奪取し、その後はビニャーレスに1.5秒差をつけてフィニッシュラインを通過する。
www.ducati.co.jpなお今回のロレンソの3位により、ドゥカティ・チームのMotoGP通算表彰台登壇回数は、節目となる100回に到達しています。そしてライダーズランキングでは、41ポイントのドヴィツィオーゾが5位、28ポイントのロレンソが9位に順位を上げました。まだ上位との差は大きいですが、これからの改良でデスモセディチが首位争いに絡むようになると、ますます今シーズンのMotoGPが面白くなりますね！
決勝後のテストも、ロレンソとドビツィオーゾは好調を維持
スペインGP後のヘレステストで、マシンとタイヤのマッチングを試すロレンソ。
www.motogp.comスペインGP後のヘレステスト・セッション1では、ドビツィオーゾが1:39.030で5番手、ロレンソが1:39.124で6番手のタイムを記録しました。チームは新しいパーツのテストは一切行わず、現在のパッケージでのミシュランタイヤとのマッチングに注視してテストを消化しています。
テストの1番手は、今回のスペインGPで沈んだビニャーレス（ヤマハ）。2、3番手は、スペインGPで2位のマルク・マルケスと優勝のダニ・ペドロサ。ホンダファクトリーの両雄が、好調ぶりをテストでもアピールしています。そして4番手のタイムは、アプリリアのアレイシ・エスパルガロが叩き出しました！
ルマン・サーキットで開催される次戦のフランスGP（5月19〜21日）を楽しみにしましょう！
ヘレステスト・セッション1結果
1:マーベリック・ビニャーレス ヤマハ 1:38.635
2:マルク・マルケス ホンダ 1:38.637
3:ダニ・ペドロサ ホンダ 1:38.716
4:アレイシ・エスパルガロ アプリリア 1:38.999
5:アンドレア・ドビツィオーゾ ドゥカティ 1:39.030
6:ホルヘ・ロレンソ ドゥカティ 1:39.124