"コカ·コーラ"鈴鹿8耐は2017年に第40回記念大会を迎えます。そこで第1回大会からの歴代優勝マシンを一挙紹介! 今回は1990年(第13回大会)FIM 耐久カップシリーズ第2戦 "コカ·コーラ"鈴鹿8時間耐久ロードレースで優勝した、ヤマハYZF750(0WB7)を紹介します。

ヤマハFZR750RがベースとなったYZF750!

限定発売されたFZR750R(0W-01)がベースで、高回転化・小型化が進み、30度前傾でエンジンが搭載された。鈴鹿8耐で悲運のヒーローとなっていた平忠彦が、エディ・ローソンとのペアで悲願を達成。そのフェアリングには優勝を祈念する1,000人の名前が記された。

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カワサキ時代から10年ぶりの鈴鹿8耐参戦となったE.ローソン。前日鈴鹿入りにも関わらず、YZF750で2分13秒520を予選で叩き出し、ミック・ドゥーハンに次ぐ予選2番手を獲得。ドゥーハンとの差はわずか0.093秒だった!

スーパーバイクのホモロゲーションモデルであるFZR750R(水冷4ストローク並列4気筒DOHC5バルブ)をベースに開発された1990年型YZF750は、ステアリングヘッドが低く、ピボット位置が前方へ寄せられているのが特徴でした。エンジンは前世代のFZR750よりもコンパクトになっており、搭載位置の自由度が増したことにより、車体も大きく変化したわけです。

ベース車のFZR750Rについては、こちらをご参照ください。

5バルブエンジンのボアストロークは、従来の68×51.6㎜から、さらにショートストロークとなる72×46.0㎜となる。この高回転化にあわせてコンロッドはチタン製に。肉抜きのクロモリ製カムシャフトが採用され、シリコンオイルテーパー線のバルブスプリングを介しサイズアップした23㎜径の吸気バルブを開閉。ピストンリングは、燃圧用リング1本を割愛した2本式となり、ピストン前高を低く抑え擦動抵抗を低減。そのエンジンは3点リジッド懸架でアルミ製デルタボックスフレームに搭載された。

1990年大会では、足を怪我していたローソンに代り、初めて平忠彦はTECH21チームのスタートライダーをつとめました。先行するワイン・ガードナー/ミック・ドゥーハン組(ホンダ)の転倒後、首位に立ったYZF750は最後までその位置をキープ。1895年以来、鈴鹿8耐の悲劇のヒーローだった平は、ついに初の栄光を手中におさめたのです。